海のダンゴムシ『コツブムシ』餌用とはいえ飼育・繁殖も簡単!
日本近海でも容易に採取できる『コツブムシ』 ダンゴムシに近い生物らしくアクアリウムでは餌用として使われることが多い生き物になります。しかし飼育しても意外に可愛いし繁殖も可能だったり。
非常に種類が多く生息域にも大きな差があるため、あくまで一例としての「飼育方法」になります。
コツブムシ
適正水温:
25℃前後
(で飼育できる種類もある)
食べる餌:
藻類・人工餌・その他いろいろ
餌付け難易度:低
人工飼料もあっさり食べる
混泳:
餌用とされるだけあって魚類にはパクパク食われる。甲殻類にも捕食される。混泳は要注意。
飼育難易度:低
良好な環境で捕食さえされなければ勝手に生きて勝手に増える。
ただし種類によっては一般的な飼育水槽では生きられない場合も。
地味な生物ながら愛好家が多く、飼育者も意外に多いコツブムシ。
流木や石灰岩に穿孔して暮らす種もいるそうな。
水三輪的なコツブムシの話
とにかく種類が多く、淡水~汽水~海水と広く生息。流木に穴掘って入ったり、石に穴掘って入ったり…性質もさまざまなため、私が知っているコツブムシなんぞほんの一握り。詳しい種類名すら知りませんもの。
磯に行けば簡単に採集できるそうですが、ウチにいるのはもともと『餌用』として売られていたもの。数種類(に見える)のコツブムシが20~30匹ほど入っているものを購入しました。
購入後に三本の水槽に分けて入れ、そのうち二本は食われて絶滅してしまいましたが…捕食者がいない水槽では順調に増え、現在もわさわさと繁栄しています。
ウミブドウに群がるのが大好きなようで、いつもこの有様。
多数くっついているオレンジ色っぽいものがコツブムシになります。
飼育環境は『海水(通常の塩分濃度)』で『水温25℃前後』、『ディフューザー方式でエアレーション』で『外部濾過装置』。殺菌灯やスキマーなどの小細工は使っていません。要するに『基本的な海水魚飼育環境』で飼育できています。
コツブムシ愛好家の方のブログで『飼育は難しい。水槽内での繁殖も困難』などと書かれていたので期待はしていなかったのですが、とんでもない。半リフジウム状態の40cm水槽で順調に増え続け、『10匹→100匹以上』の大繁殖っぷり。
なにをもって「飼育が難しい」「繁殖は困難」と言われているのか謎なほど、あっさり飼育できますし増えます。種類の問題でしょうか…。
こちらは繁殖して生まれた小さな小さなコツブムシの拡大写真。
体長は1~2mmほど。数匹~十数匹でかたまってガラス面にくっついている姿がよく見受けられます。
餌は特に与えていませんし、繁殖のためにクロレラを入れたりもしていません。たまーに粒状の人工餌を入れるとコツブムシも喜んで食べにきています。
脱皮は半分づつ
エビやカニの脱皮は「ぺろん」と一回に全部脱ぎますが、コツブムシは「前後半分づつに分けて」というダンゴムシ仕様。
脱皮中のコツブムシ。前後の色が違います。
ちなみにかなりガッシリとしがみついているので、ウミブドウから引っ剥がすのは大変。
コツブムシあとがき
海水水槽の微生物大好き人間としては、この『コツブムシ』もなかなか可愛いお仲間。
ヨコエビ同様、水槽内で繁殖してくれると愛着もわきますな。まぁ特にコミュニケーションがとれるわけではないですけど。
もったいないのでこのまま捕食者無しの水槽で延々と生き続けていただこうと思っています。
こちらはさきほどの「半分脱皮」していたコツブムシが、完全に脱皮終了したところ。他の甲殻類同様、脱皮直後は綺麗。
前述した通りコツブムシマニアは意外に多く生態にとても詳しい愛好家の方もいますので、興味のある方はもっと専門的な場所で調べてみるのも良いかと。
私はとりあえず微生物がモサモサと増えていくのを見ているだけで満足。名前なんぞなんでも良いのです。
しかしヨコエビもコツブムシも、ネット通販などで買うとけっこうなお値段しますよねぇ。どちらも我が家では大量に繁殖しているので、これを売ったら良い小遣いになるのでは…なんて。