アオイソメの飼育・繁殖をマリンアクアリストが本気でやってみた

今回は釣り餌としてポピュラーな『アオイソメ(青イソメ)の飼育方法と繁殖』について。世間では『飼育は困難』と言われているアオイソメの飼育・繁殖ですが、そもそも挑戦しているのは釣り人ばかりで生物ろ過の”せ”の字も知らない素人飼育。

ならば『アオイソメ(青イソメ)の飼育・繁殖を、海水水槽暦20年以上、さらに普段からゴカイやミズヒキゴカイなど気持ち悪い海洋生物ばかり愛しているガチの変人マリンアクアリストがやってみたらどうなんだ!?』…という実験企画です。

注意!!
今回はかなり絵ヅラが”アレ”な写真が出てきますので、ウネウネとかピロピロが苦手な方はご注意下さい。

アオイソメ(青イソメ)

アオイソメは釣り餌としてはメジャーで、海沿いの釣具屋などでは100%。海有り県ならば内陸のホームセンターなどでも販売されていますし、ネット購入も可能。

Amazonでは取り扱いがありませんが、楽天市場ではたくさん売ってますぞ。

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ほーれほれ。こんなもん1kgも買ってどうすんだ、って話ですな。流しソーメン?

言うまでもないでしょうがアオイソメはは『ゴカイ』の一種。ちょっと小難しい言葉では『多毛類』になります。

マリンアクアリストならばゴカイは最終分解者として馴染み深い存在ですし、鑑賞用のケヤリムシイバラカンザシなども多毛類。水槽環境さえ適切であれば基本的に海水魚や甲殻類よりも丈夫で、ほっといても勝手に増えるようなヤツらです。場合によっちゃ増えすぎて困る場合も。

アオイソメ(青イソメ)の飼育実験

まずは最適な飼育環境を検証するため、4種類の水槽を用意しました。

…といっても、もちろん新規に立ち上げたわけではなく、全て長期間維持して生物濾過も安定しているもの。

そもそも、『アオイソメの飼育に挑戦!』などと言いながら水槽を新規に立ち上げている時点でアウトですよ。マリンアクアリウムでは『飼育生体と水槽を同時に用意する』なんて論外。まずは水槽を立ち上げ1ヵ月以上は空で回して、バクテリアを含めた環境を安定させるのが基本中の基本ですので。

今回はアオイソメの生態を考慮し、『底砂』『水温』の2点を意識して水槽を選択。

アオイソメは近海魚同様、水温20℃以下で飼育するのが妥当ですが、市販されている水槽用ヒーターは26℃設定のモノが多いため、その水温でも飼育できるかどうか実験します。そのほうが楽でしょう?

水槽は全て30cmキューブ。濾過方式はそれぞれ違いますが、全てゴカイを吸い込まずに生物濾過が高い状態、酸素供給も豊富です。

  • 『底砂:パウダー5cm厚』『水温:26℃』
    (外部フィルター)
  • 『底砂:パウダー5cm厚』『水温:18℃』
    (上部フィルター)
  • 『底砂:中目サンゴ砂』『水温:26℃』
    (底面ろ過ポンプ式)
  • 『底砂:中目と粗目サンゴ砂』『水温:18℃』
    (底面ろ過エアリフト式)

個人的には②番、パウダーの18℃がイケそうな気がしますな。

さぁアオイソメの登場です。

アオイソメの飼育

ぐえー。ウネウネしてて気持ち悪いー。

なぜでしょう、水槽のゴカイは別に気持ち悪くもなんともないのに、アオイソメは気持ち悪い。おかしいなぁ、子供の頃は普通にコレで釣りしてたのに。

なおアオイソメと一緒に入っている目の粗い砂のようなモノは、決して飼育に適しているから入っているわけではなく、ゴカイ体表のヌルヌルを吸着しエサとして付けやすいようにするためのもの。これを勘違いしてバーミキュライト(観葉植物等に使用する吸水性の高い砂)で飼育しようとする方もいるようですが、まったくもって論外です。

では4つの水槽に入れていきましょうか。しっかり水合わせしたいところですが、そもそもコイツら水に入っていないので合わせようが無い。ええい、ポンポンと投入したれっ!!

パウダーサンドで予想外の展開

パウダーサンドでアオイソメ飼育

まずはパウダー砂の26℃から。

カブトガニが1匹生息している水槽です。

もしかしたら喰われてしまうかもしれませんが、それならそれでエサになる事が判明して良いかと。

しかしここで早々に予想外の問題が発生。

なんと…

砂に潜れない

砂に潜れない!!

え?え?おまえら『自然環境下では砂中に潜って生活する』って書いてあったぞ!?なんで潜れないの!?

潜ろうと頑張っているものの、どうやっても頭も入らずにのたうち回るだけ。

入っているのはサラサラ感が個人的にお気に入りの『沖縄の超こまかいパウダー砂』なのですが、まさか細かすぎるのか!?

うーむ。やはり潜れないと飼育はできそうにないので、今回はパウダーは諦めますか。せっかく18℃の水槽も用意していたのに…。

・・・という事で、パウダー水槽はまさかの失敗。

砂を使用した飼育でそれなりに潜れている写真もあるので、やはり細かすぎたのかと。

とりあえずサンゴ砂のほうで実験を継続しましょう。

追記)
起きてきたカブトガニにアオイソメを1匹与えてみたところ、食べるどころか嫌がって大暴れ。
何度試してもダメで、結局いつものイカを貰って満足の就寝。おいおい食わないのかよ…。

サンゴ砂は潜れる!

ドキドキしながらサンゴ砂(中目)の水槽に投入。

これが失敗だったらまたイチから環境を変えて再実験ですな。

サンゴ砂でアオイソメ飼育

おお!潜れる!

サンゴ砂には潜れるようです。しかも中目よりも粗目のほうが潜りやすいようで、『中目サンゴ砂のみ』の26℃水槽よりも『中目と粗目混合』の18℃水槽のほうがスムーズに潜っていきます。

うーむ、これは意外。

完全粗目サンゴ砂のほうが良かったか?

とりあえず両水槽に3匹づつ投入し、しばらく様子を見てみますか。

・・・1週間経過

予想外の展開により、

  • 『底砂:中目サンゴ砂』『水温:26℃』
  • 『底砂:中目と粗目サンゴ砂』『水温:18℃』

(濾過はどちらも底面ろ過・エアリフト式)

の2本だけで行う事になった青イソメ飼育実験。

しかしこれまた予想外の事態が・・・

アオイソメがかわいい

ちょ、なにその顔!可愛いんですけど!

ウネウネしている胴体を見慣れてしまえば、お顔はラッコか何かのようにも見えるじゃないか。まさかアオイソメに惚れる日が来るとは…。

…と、愛着がわいたところで飼育から1週間が経過。

実験の経過としては26℃のほうで3日目に1匹他界、5日目にまた1匹他界を確認。

個体差も考慮して2匹追加しましたが、やはり数日後にまた1匹亡くなってしまっため、アオイソメの命を考慮して26℃水槽は実験中断

長期飼育するなら26℃設定は無理。

…という結論に至りました。

ゴカイ類は意外とタフだからイケるか…とも思ったのですが、さすがに乱暴すぎたようですな。ごめん、3匹のアオイソメ。

・・・1ヵ月経過

アオイソメの飼育観察、水槽投入から一ヵ月が経過。

『中目・粗目混合のサンゴ砂 』『 水温18℃設定』の水槽1本になりましたが、しっかり全部生きております。

元気かどうかは言葉が通じないのでわからないものの、普通にエサも喰っている様子(沈下性の海水魚フードを数日に1回)。

この水槽はもともとゴカイ・ヨコエビ類の飼育・繁殖に使っていた水槽なので環境が合っているようですな。

ただしサンゴ砂の目が小さくギチギチに詰まっている場所は潜りづらいらしく、苦しそうにグネグネする姿が見受けられました。

目が粗い場所はぐいぐいと身体を潜り込ませていくので、やはり粗目の砂だけで飼育したほうが良い気がします。

・・・3ヵ月経過

アオイソメ飼育も3ヵ月が経過。

1ヵ月経過からこれまでの間に3匹が他界しましたが、残りのイソメ全部この水槽に入れたので約20匹のうち3匹です。

アオイソメ飼育一ヵ月経過

たまにこうやって底砂から出たり入ったりで顔を見せてくれますが、普段はずーっと砂の中やライブロックの下。特に底砂とライブロックの隙間が好きなようで、大量に集まっております。

果たしてどの程度飼育できれば『長期飼育成功』として良いのかわかりませんが、とりあえず生存率8割以上で3ヵ月ってのは悪くないのではないかと。

アオイソメの水槽繁殖は?

順調に飼育できるならば、次に挑戦したいのは『自家繁殖』

小さなケヤリやゴカイ類は水槽内でどんどん増えてくれるので、アオイソメもできるのでは・・・と思っているのですが、先ほども書いたようにこれはもともと『ゴカイ類の繁殖用』で使用している水槽。小さなゴカイが勝手にどんどん繁殖している状態なので・・・

アオイソメが増えた事を確認できない

…という落とし穴がありまして(笑)

上の写真を見りゃわかる通り、ちっこいのがたくさん砂の中にいるじゃないですか。判別ができんのですよ。

アオイソメ(青イソメ)飼育方法・まとめ

アオイソメを水槽で

『アオイソメの水槽飼育をガチのマリンアクアリストがやったらどうだ!?』の戯れ実験。

現在のところ、

水槽:
30cmキューブ

濾過:
底面ろ過エアリフト方式

底砂:
サンゴ砂(中目~粗目)厚さ5cm(底面フィルター含む)

水温:
18℃(適切な水温はまだ不明)

エサ:
数日に1回、沈下性の海水魚フード

という環境で

約4ヵ月、8割以上の生存率で飼育できています
(現在も飼育継続中)

『アオイソメは長期飼育できない』という話を聞いていたのでドキドキでしたが、正直なところ「アオイソメの飼育は環境さえ適切であれば簡単」といった印象。ただし、その『環境を適切に作る』というのが大変なのでしょう。

水槽や濾過に関しては問題ないレベルなのですが、アクアリストの方ならばすぐにわかるとおり『水温を18℃維持』はキツい。キツすぎる。ダンゴウオなどであればクーラー全開で飼育する価値もあるでしょうが・・・ぶっちゃけゴカイにそこまでして飼育する必要あります?

釣り人の方がアオイソメ飼育に挑戦する理由は、『エサを長期保存したいから。あわよくば家で増やせれば便利』といったケースが多いかと思います。しかしここまで本気で環境を作ってまで飼育する気はないでしょう?もちろん定期的な水換えが必要なので人工海水の素も必要ですよ?食塩じゃ飼えませんよ?

…というわけで、

結論:保存目当てならば飼わずに買ったほうが良い

という悲しい現実になります。

しかし私は釣り人ではなく変態アクアリストなので、さらに研究を重ねて『アオイソメ飼育専用の水槽』を立ち上げ、繁殖にも挑戦してみようと思っています。だってまだ生きているんだものコイツら。捨てられないじゃない。予想外に可愛いし。

アオイソメの飼育・繁殖をマリンアクアリストが本気でやってみた”へ2件のコメント

  1. たまお より:

    釣りを始めたばかりなのですが、やはり残ったイソメがもったいなくて何とか長生きさせることができないか調べててこちらに行きつきました。
    大変参考になりました(^^)
    釣りに行くたびに購入したほうが安く済むのでしょうけど、やはり無駄死にはさせたくないので早速水槽など手配して飼育してみます。
    繁殖などその後が知りたいのですが、記事をアップした時など教えていただけると嬉しいです。
    自分も見よう見まねで飼育しつつ、釣りを楽しみたいと思っております♪

    1. 灰犬 より:

      コメントありがとうございます。
      「毎回買えば安く済むが、無駄死にはさせたくない」という想い、変な生き物好きとしてはとても嬉しく感じます。
      仕事のほうが忙しくてなかなか本格的な繁殖に手がつけられていませんが、相変わらず潜ったまま普通に生きているようです。
      もし繁殖に成功したら私も釣りに行ってみようかと思いますが・・・自家繁殖したらさらに愛着がわきそうでたぶん無理ですな(笑)
      いつか繁殖用水槽をしっかりと立ち上げて記事にしたいと思っていますので、その際はどうぞよろしくお願い致します。
      今後の経過等もあればぜひお聞かせ下さい。
      ではでは・・・良き水槽ライフ&釣りライフをお祈りしています。

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