『スポッテッドマンダリン』飼育方法・餌・注意点など

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緑色のマンダリン『スポッテッドマンダリン』の飼育方法や注意点、混泳やエサに関するポイントなどをご紹介。ちなみにサイケデリックフィッシュ、ピクチャードラゴネットなどと呼ばれる事もあります。

マンダリン

スポッテッドマンダリン・飼育方法

適正水温:
25℃前後

エサ:
微生物類・人工餌(餌付けは困難)

混泳:
同種&生活域がかぶる近縁種とは注意が必要。
その他は基本的に問題無し。

飼育難易度:
給餌の問題さえクリアできれば丈夫で飼育は容易。

餌付け難易度:
人工餌には餌付きづらいので、工夫が必要。

流通量も多く比較的容易に購入できるものの、人工餌に餌付かせるのが困難なうえに餌を食べるのも遅く、長期飼育には努力が必要。

体長は最大でも6~7cm程度。激しく泳ぎまわる事もないので飼育方法によっては30cmキューブ等の小型水槽でも飼育可能(十分な濾過能力は必須)。

適度な水流があったほうが元気に育つが、強すぎる流れは苦手。

水三輪的な飼育情報

水槽の底をとーんとーんと移動しながら、時々口を伸ばしたりヒレをバタバタさせたり。見ていて飽きない可愛いらしい魚『スポッテッドマンダリン』

ビビッドな配色の青マンダリンに比べると派手さは控えめ、体格もやや小さくなります。

しかし「飼育者泣かせの餌付け難易度」に関しては共通…いや、青マンダリンよりもこちらのほうが難しいと個人的には思いますな。

スポッテッドマンダリンが食べる餌

スポッテッドマンダリンはいわゆるプランクトンフィーダー、微生物を食べる種類の魚になります。大きなエサに噛みついたりライブロックに生えた珪藻類を食べることはありません。

この食性の魚は粒状やペレット状の人工餌を食べ物と見なしてくれないケースが多く、その中でも特にこのスポッテッドマンダリンは人工餌に餌付きづらいと言われている種類。

餌付けに関しては大きく個体差がありますので「簡単にメガバイトを食べるようになった」という話も聞くっちゃー聞きますが、「何をどうやっても食べず、どんどん痩せてきた」という悲痛な叫びのほうが多く耳にします。

とりあえずは金魚のようにパパッと乾燥餌を入れて終わり!というわけにはいかない魚、という事はしっかり理解しておく必要があります。

まずはエサの種類ごとに、実体験を踏まえて『食いつきの良さ・与え方』などを。

人工餌

まず最も簡単で水の汚れも少なく、栄養的にも安心できるのが乾燥タイプの人工餌を食べてもらうこと。

いきなり粒状のエサをバクバク食べてくれればもう最高、何も言うことなしなのですが、スポッテッドマンダリンに関してはかなり稀。

エサと認識してもらうには創意工夫が必要で他の食べるエサと一緒に少しづつ与えてみる』『冷凍エサに練り込んで覚えさせるなどの方法が一般的です。

しかしこれを言っちゃー身も蓋もありませんが…

わしは人工飼料への餌付けに成功したことはありません。

というかスポッテッドマンダリンは人工飼料で飼育するような魚だと思っていないので、食べさせる努力をしたことがありません。

冷凍エサ

乾燥タイプの餌に次いで与えやすいのが各種『冷凍エサ』、ショップでもネットでも簡単に購入できます。

手に入りやすいのはキョーリンのクリーンホワイトシュリンプ。冷凍イサザアミと呼ばれる種類の餌ですな。

これは比較的簡単に食べてくれます。

ただしスポッテッドマンダリンはおちょぼ口なので、小さいサイズであれば大きい場合があるかも。

そんな時はこっち↓

同じくキョーリンのクリーンコペポーダ。

上の冷凍イサザアミ同様、餌付きやすい冷凍エサなのですが…かなり粒が細かく食べ残しが出やすいので注意。

同じく冷凍エサの『冷凍ブラインシュリンプ』も食いつきが良いです。ただし私の経験では『冷凍アカムシ』は食べませんでした。(食べるという話を聞いたこともありますので、やはり個体差かと)

しかし冷凍エサは最大の難点、

めっちゃ水を汚す。

…という性質があるのですよ。

ただでさえ細かく広がって食べ残しが出やすいうえに、スポッテッドマンダリンはスポイトなどで個別に「はいどうぞ」とエサを与えられるような食べ方ではなく、水槽内に撒かれた冷凍エサを時間をかけて探しながら食べていくスタイル。

必然的に無駄エサが出ますので、小型のエビ類やヤドカリ、貝類などを同居させて残りエサの処理をしてもらう必要があります。

活ブラインシュリンプ

これを食べない生き物のほうが珍しいほどの『活ブラインシュリンプ』、もちろんスポッテッドマンダリンも大好物です。

孵化させるために手間がかかりますが、活き餌だけあって食いつきは抜群。これを食わんスポッテッドマンダリンはいない、と言っても過言ではないかと。

とにかく食いが良くどんどん太らせる事ができますが、注意点も1つ。ブラインシュリンプは海洋性生物に必須の不飽和脂肪酸を含んでいないため、健康的に長期飼育したいならば他の食べ物で補う必要があります。

新しくお迎えした直後など、餌付くまでの体力維持のために使用するのも効果的です。

ヨコエビ

ヨコエビ

ブラインシュリンプよりも入手が面倒ですが、ヨコエビ類は非常に食いつきが良く栄養素的にも問題なし。口に入れられるサイズならば理想的な食事となります。

パック詰めでネット販売しているお店などから購入できますぞ。

ライブロックを入れ、適切な環境さえ保っていればヨコエビが勝手に住み着いて増えることは多いですが、スポッテッドマンダリンが入っていると絶滅します。もしエサとして維持したいならばリフジウムや隔離水槽などで別に繁殖させるのが良いでしょう。

エビ類を自家繁殖

スポッテッドマンダリンとエビ類を同居させ、繁殖させることで餌とすることも可能です。

エビの種類は問いませんが繁殖しやすいものにしましょう。

キャメルシュリンプフシウデサンゴモエビは入手しやすく安価で繁殖も可能ですが、飼育環境によってはまったく増えてくれない場合も。

個人的には大型魚のエサ用として販売されている「イソスジエビ」「モエビ」がおすすめです。

ただのエビ

コイツらは観賞用としては物足りませんが、とても繁殖が簡単。ほっとけばどんどん抱卵してじゃんじゃん増えてくれます。
(ただしコイツも環境によってはまるで抱卵してくれない場合あり)

ライブロックからの微生物

人工的なエサはなかなか食べないものの、自然界の中ではマンダリンはかなりの悪食。小型のゴカイ類なども含め、とにかく「小さくて口に入る生き物」であればなんでも食べているようです。

ライブロックと海藻類を豊富に入れることで微生物を繁殖させ、それらをエサとする事も可能ですが、ヨコエビの項でも説明したように絶滅するまで食われることが多々あります。

スポッテッドマンダリン餌付け・まとめ

その餌付けづらさからショップでも満足にエサを食べれていない事は多く、痩せた状態で迎える事が多くなるスポッテッドマンダリン。まずは元気に体力をつけてもらうことを最優先としつつ…

  • とりあえず乾燥エサを与えてみる。
  • ダメなら冷凍エサを与えてみる。
  • それでもダメなら活ブラインシュリンプやヨコエビを与えてみる。

…といった流れで、食べてくれたらその上の段階のエサを混ぜてみたり…工夫してみたり…といった流れが一般的でしょうな。

多くのスポッテッドマンダリンは冷凍エサが限界ですので、乾燥タイプの人工飼料はあくまでも『食えばラッキー』程度に考えておいたほうが良いかと思います。

できることならばエサは単一ではなく、いろいろな種類を食べさせてあげましょう。

一例ですが、私の場合は…

水槽投入後は喰いつきの良い『活ブラインシュリンプ』で元気に太らせ、少しづつ『冷凍エサ』に慣れさせ、最終的には「冷凍エサ+自家繁殖エビ+水槽内の微生物」をエサとすることで、全ての個体が4~5年飼育できました。
(購入時のサイズなどもありますので寿命に関しては不明です)

病気や環境

スポッテッドマンダリンは「餌付けが全て」といっても良い魚。

しっかり栄養をとっていれば病気にも強く、水温変化にも強い。非常に丈夫で飼育しやすい種類になります。

スポッテッドマンダリン

ヒレに小さな傷がつきやすく白点病と勘違いしてしまう事がありますが、ベントスなので基本白点病にも強いです。

シェルターなどは必要なく、起きている間は隠れる事もありません。眠る時は居心地の良い場所を探してひっそりと寝ます。微生物の繁殖を考慮すれば底砂は入れたほうが良いでしょう。もちろん濾過能力とエサに問題がなければベアタンク(底砂無し)でも飼育は可能です。

安心できる環境を作ってあげられれば人を恐れる事もなく、いつでもマイペースに餌を探して生活しています。

スポッテッドマンダリン
飼育方法まとめ

太ったスポッテッドマンダリン

何度も言いますが、スポッテッドマンダリンはとにかく餌付けが勝負

しっかりした給餌方法を確立してあげれば長く元気に愛らしい姿を観察する事ができます。明確な寿命は不明ですが私の経験では最長6年でした。

基本的に同種は争うので避けたほうが良いですが、ペアでの飼育成功例も多くあります。

エサさえクリアできれば飼育は難しくありませんし、長く付き合える可愛らしい魚ですので…ぜひ一度は飼っていただきたいヤツですよ。

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