生きた化石『カブトガニ』飼育方法・エサ、底砂、注意点など

誰もが一度は聞いたことがあるであろう『カブトガニ』の飼育方法、食べるエサや水槽の種類、底砂、飼育上の注意点などを実際の飼育経験に基づいてご紹介します。「生きている化石」と称されることもあるカブトガニですが、なんと一般家庭の水槽でも飼えるんですよ、コレ。

カブトガニの飼育方法

カブトガニ

適正水温:
25℃前後
種類によって差あり

食べるエサ:
貝類・剥きエビ・ゴカイ・クリル・海藻類
好みに個体差あり

餌付け難易度:中
エサを食べる活動時間が限られているので、カブトガニの行動に合わせて給餌する必要あり。
理想はゴカイ類が豊富に繁殖している水槽での飼育。

混泳:可(要注意)
基本的に混泳可能だが、同居する生物によっては要注意。

飼育難易度:中の上
できれば専用に環境を作った水槽での飼育が望ましい

水三輪的な飼育情報

その知名度の高さと魅力的なルックスから「飼ってみたい」と思う方も多いであろう『カブトガニ』

しかし最初に申し上げておきますと…

飼育は難易度高めです。

そして理想的な環境で飼育すると、

思ってたのと違う…

となるのがミソ。

その2点について詳しく掘り下げつつ、項目ごとに実際の飼育経験に基づいた情報をご紹介していきます。

注!
カブトガニは現在4種(カブトガニ・マルオカブトガニ・ミナミカブトガニ・アメリカカブトガニ)が存在し、それぞれ性質が若干異なるようです。種類の差により、当記事で紹介している性質・飼育情報等が当てはまらない場合もありますのでご注意下さい。

飼育環境・水槽

大きくなれば50cm以上、種類によっては最大で80cmを超えることもあるカブトガニですが、飼育用となれば『背甲の直径が3~6cm程度』でお迎えするのが一般的。その前提で水槽セッティング・環境についてご説明します。

まず水槽は他の生物同様、大きいに越したことはなし。とりあえず小型(幼体)のカブトガニ単独であれば30cmキューブでも飼育は可能です。ただし1回の脱皮ごとに予想以上に大きくなるので、最低でも45cmは用意したいところ。

それほど水深は必要ないので、最近出回ってきているオシャレで浅い水槽などでもOKですぞ。

なにより大事なのは底面積と底砂。大事に長期飼育したいのであれば…

パウダー~中細目(1~2mm程度)の底砂が必須。

砂目はできるだけ細かいほうが望ましく、理想はパウダーです(水槽管理が大変ですけど)。 中細~細目のサンゴ砂でも飼育は可能です。

カブトガニはどこにいるのかわからないほど完全に潜るのが好きなので、底砂は厚めに。潜り方にクセがあり、カブトガニの厚みと同程度ではしっかり潜れません。小さな個体でも最低3cm、将来を考えれば5~6cmは敷いてあげたいところ。

パウダーで5cmなどと聞くと、まるで条件反射のように「硫化水素!」と騒ぎ始める人もいるでしょうが、カブトガニの底砂攪拌能力はモンスター級。とにかく深く激しく毎日かき混ぜまくるので、少々厚く敷いても全く問題ありません。

砂に潜るカブトガニ

このように、完全に潜っている状態がカブトガニ飼育のデフォルト

活動時間以外はまったく動かず、じーっと砂中で休んでいるほうが長いのです。

似たルックスで同じように砂に潜って生活する『オニヒメブンブク』がいますが、カブトガニはオニヒメブンブクよりも長く潜りっぱなし。

飼育環境によっても行動は変化しますが、おおむね日に1回会える程度。底砂内に豊富に食べ物があるとさらに出会える機会は少なくなるようです。

これが『思ってたのと違う』の理由。

そう、オニヒメブンブクの飼育方法でも同じような事を言いましたが、カブトガニも飼育しているのに、ほぼほぼ会えないんです(笑)

なおライブロックは入れなくとも良いですが、生物ろ過やゴカイ類を目的とするならば入れても問題ありません。ただし入れすぎず、底面積を広くする事を意識しましょう。

カブトガニの餌

自然環境下でのカブトガニはゴカイなどの小動物を捕食して食べていると言われています。

水槽飼育の場合でもメガバイトなどの乾燥エサにはほぼ餌付かず、食べるとされているのは『アサリのむき身』『エビのむき身』『乾燥クリル』『釣りエサ用のゴカイ』『海藻類』などなど。

私の飼育経験上、最も食いつきが良いと感じたのは『アサリ』『イカの切り身』。どちらもカブトガニの口の大きさに合わせて細長くカットして与えています。それ以外にも『ツブガイを細長く切ったもの』『冷凍イサザアミ』もたまに食べています。

エサを与える際のポイントは、カブトガニが活発に活動している時に与えること。カブトガニは一日のうちエサを探して活動する時間が決まっており、砂に潜って動かない時に入れても基本食べません。

砂の上を這いまわっているならばルート上に置いてやり、少し潜った状態でモゾモゾ動き回っているならば少し砂に埋めるように。与えたエサに重なったところでしばし停止しているようならば食べている証拠。

食べ終わってもまだ探しているようならば追加で与え、十分食べて満足すると深く潜って再び休み始めます。

『泥状の底砂の中にゴカイがたくさん繁殖しているような環境』を用意することができれば理想的で、あまり砂の上に出ずに砂中で勝手にゴカイを食って暮らしてくれたりします。

ちなみにカブトガニの口はココ。

カブトガニの口

わしゃわしゃ生えている脚の付け根、中心部が口になります。

どうですかこのルックス、ヤバいでしょう。表向きはスベスベのルンバのようで可愛いカブトガニも、裏を返せばまるでエイリアンでキモい野郎なのですよ。

普段は素朴な笑顔で「午後も頑張って下さいね」などと言ってくれる弁当屋のあのコも、裏を返せばホスト狂いのビッチなのと同じです。私の勝手な想像ですけど。

水温について

飼育経験もないクセにネットの情報をパクッて記事を増やすインチキアクアリウム情報サイトでは、大半のところで『カブトガニは高水温に弱い』と書かれています。一旦メジャーなところでそう書かれるとコピペされて増えていくのがアクアリム系の困ったところ。

まぁたしかにアクアリウム、特に海水生物は、全ての生き物を実際に飼育していったら大変ですからねぇ。…ええ、ホント大変なんですよ。
(『水槽抱えて三輪車』で紹介している生き物は全て私自身がリアルに飼育し、写真も自分で撮影しています)

あくまで個人の見解ですが、カブトガニは『高水温に弱い』という印象はありません。真夏に28℃ほどの水温が続いてしまった時でも、全く問題なく元気でした。

ただし水温に対する耐性は種類による差が大きいようですし、私の意見が絶対正しいという保証もありません。夏場はエアコンによる室温管理もしくは水槽用クーラーを使用したほうが良いでしょう。死んだから責任取れ、とか言われても困りますし。

そして低温のほうですが、水温が16~18℃以下になるとカブトガニは砂に潜って冬眠してしまうそうな。
(これも種類によって水温に差があるようです)

同じく冬眠する生き物代表でもあるカメは、正しく冬眠させて飼育したほうが健康的に育つという話ですので、カブトガニも冬眠を経たほうが長期飼育できそうな気もするのですが・・・失敗が怖いので試したことはありません。

カブトガニの行動

カブトガニは1日のほとんどを砂に潜った状態で過ごします。

水族館やショップではベアタンク、もしくは薄い底砂で飼育されていたりしますが、それは見る人を優先しているため。砂にしっかり潜れないというのはカブトガニにとってストレスがかかる環境です。

飼ってても見れなきゃ意味がない!…と思うのはごもっともですが、少しでも長く健康的に生きてもらうために底砂は細かいものを厚く敷きましょう。どうしても頻繁に観察したい場合、可能であれば3~4匹飼育することで会える機会がグッと増えますぞ。

そしてなにげにカブトガニは泳げます

タイミングが合わないうえに被写体ブレでまともな写真が撮れていないのですが、泳ぐ時はなんとひっくり返って背泳ぎなんですよ、コイツ。そのうち写真or動画撮影ができたら載せておきます。

カブトガニ飼育方法・まとめ

上からカブトガニ

カブトガニの飼育におけるポイントをざっくりとまとめると…

  • 底砂は必須。理想はパウダー、粒は最大でも2mm程度
  • 底砂は厚さも大事。しっかり全身が潜れる厚さで。
  • ただしそうするとあまり会えなくなる(笑)
  • 脱皮すると予想以上に大きくなるので、水槽サイズには余裕を。
  • エサやりはやや手間がかかる

…といった感じ。

一般的な海水生物とは若干異なる環境が必要なため、現在稼働している水槽に追加投入…といったやり方では少々難しいですし、金魚のように『人間の都合でパラパラとエサを入れて終わり』というわけにもいかないため、少々手間がかかります。

しかしそこまでしてでも飼う価値のある、可愛い生き物ですぞ。

ちなみにこの写真で左右の目のように見える部分が複眼、前のほうにある鼻の穴のように見える部分が単眼。

カブトガニは「カニ」と付くクセに甲殻類ではなく、虫と同じく節足動物。クモに近い生き物だそうで。しかし甲殻類のように脱皮し、冬眠までするという・・・なんなんでしょうね、コイツ。

生きた化石『カブトガニ』飼育方法・エサ、底砂、注意点など”へ2件のコメント

  1. マロン より:

    お久しぶりです!

    驚きました。カブトガニって飼えるんですね!
    いやまさか幼少期にテレビや図鑑でみていた私としてはカブトガニの飼育というと、家にアイドルが来るようなものでして、興奮しながら読ませて頂きました。
    しかし、まさか裏側がそんなことになっていたとは…それもまた興奮がありました。
    背泳ぎ楽しみにしています!

    1. 灰犬 より:

      お久ぶりですー。
      相変わらずマスクを強要される生活が続いていますが、お変わりありませんでしたか?

      そう、カブトガニが飼えるってヤバいですよね!
      私も幼少からの憧れだっため、初めて飼育した時は興奮しすぎて新たな性癖に目覚めそうでした。
      甲殻類好きならば『カブトガニ』『ダイオウグソクムシ』の飼育は憧れますよねぇ(カブトは甲殻類じゃないけど)。

      相変わらずエサを食う時以外は潜りっぱなしなので機会がありませんが、背泳ぎ撮影を狙っておきます!

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