変わりすぎ!『コンビクトブレニー』飼育方法・エサ・底砂など
幼魚の頃は非常に可愛らしい『コンビクトブレニー』の飼育方法や食べるエサ、底砂の有無や飼育環境などについて。
生態に謎の多い魚ですが、成長するにつれて徐々に変化していく体表の模様についてもご紹介しています。
コンビクトブレニー
写真は幼魚期(体長6cm前後)
飼育方法
適正水温:
22~25℃程度
エサ:
人工飼料・冷凍餌・プランクトン
餌付け難易度:低
粒状の人工飼料にも簡単に餌付き、種類を問わず良く食べてくれる
ただし成長すると隠れがちになるので、レイアウトによっては給餌が大変になったりも…
混泳:
温厚な種同士での混泳は可能(気の強い魚との混泳は不可)
同種の複数飼育も可能で、幼魚期は群れを作って遊泳する姿も見る事ができる
魚を襲わない小型甲殻類との混泳は可能だが、給餌の際に一緒にエビなどが群がるとかなり嫌がる
飼育難易度:幼魚期・低、成長後・中
人工飼料も簡単に食べ、基本的に丈夫で飼育しやすいが…成長するにつれてどんどん隠れがちになり底砂を掘りまくる。
しかも最大で30cm近くまで成長するので飼育環境が大事。
生態に謎が多いものの、水槽でも飼いやすくビギナーにもオススメ。
ただしかなり大きくなるので長期飼育を目指すならば広めの水槽が必須。さらに暇さえあれば大量に砂を掘り返すので、とにかく飼育環境が大事。
体表の模様は成長に応じて変化し、性格も変わっていく珍しい魚。
水三輪的な飼育情報
まるでドジョウのような見た目が愛らしい『コンビクトブレニー』
ショップで販売されている幼魚期の個体は餌付けも容易で丈夫。価格も安価で非常に飼育しやすい生き物になります。
ただし成長するにつれて性質が変化する点と、『ものすごく底砂を掘り返す』『最大で約30cmほどになる』という部分は要注意です。
食べる餌と給餌方法
コンビクトブレニーは基本的になんでも食べます。
成長に合わせて口に入るサイズを選べば粒状の人工飼料もパクパク食べますし、冷凍イサザアミや冷凍ブラインシュリンプも喜んで食べてくれます。
スポイトで給餌している様子。コイツはものすごく動きが早いのでブレます…。
人工飼料を与える場合は動物性のものが良いでしょう。
漂っているエサを食べるのが得意なようですが、底砂に落ちたエサもしっかり拾って食べてくれるのが嬉しいところ。浮くタイプのエサは成長するにつれて食べに来なくなります。
こちらがエサを与えている事をしっかり理解してくれますし、『朝と晩の餌の時間になるとガラス前面まで出てくる』といった動きを見せてくれたりもしますが…それは幼魚期のみ。
成長して10cmを超えるあたりから隠れがちになり、水槽奥に巣穴を広く作った場合など、餌やりも苦労するほど奥にこもりきりになったりします…(汗)
水三輪コラム
『謎多きコンビクトブレニー』
コンビクトブレニーの生態はまだ謎が多いものの、『幼魚期は遊泳するが、成長すると海底に穴を掘って一切出てこなくなる』と言われています。
さらに「成長したコンビクトブレニーは遊泳してエサを食べてきた幼魚のフンを食べて暮らしている」という説もあります。
なんとも嫌な生活ですなぁ…。
その説の真偽のほどはわかりませんが、うちのコンビクトブレニーも10cmを越えたあたりからエサを貰うために顔を出すのすら嫌がるほどになっています。
底砂の有無・シェルター
幼魚期(身体のラインが一直線な頃)は水槽内を遊泳する事も多いコンビクトブレニーですが、成長するにつれて生活スタイルが変化。巣穴を掘り、そこに籠もって生活するようになります。子供の頃は普通に外に出ていたけど、大人になったら家に引き篭もり…みたいな人生ですな。
これがまた自分が入るサイズ程度に留まらず、かなり大きく深く家を作りたがるので…水槽セッティングによってはそりゃもう大変な事に(汗)
こういった『深く掘ってシェルターを作りたがる生物』の場合…
- 底砂は厚く敷かないで(~1cm程度)、ライブロックを組んだりシェルター代わりになるものを入れてあげる。
- がっつり底砂を敷いて(5cm~)、掘られてもレイアウトが崩れないよう対策をしておく。
の二択で考えるのが良いかと思います。中途半端な底砂に中途半端にライブロックを組んだりすると、適切なシェルターを作りづらいうえにレイアウトも崩れてしまいますので。
なお底砂を厚く敷いた際の問題(硫化水素の発生など)は人によって見解が大きく分かれる部分ですので、自己判断で。
底砂を使わない場合、コンビクトブレニーは土管のようなものにも入ってくれます。ただし光が当たらないような深く暗いシェルターを好みますので、その点を考慮してあげましょう。
巣穴に隠れる生き物のために土管などでシェルターを設置する際、つい『飼育者が観察しやすく、中に入っている様子が見えるおうち』にしたくなりますが、そういう棲み家は魚のほうも落ち着かないものです。見たい気持ちはわかりますが、できれば魚の安心を優先させてあげましょう。
私は底砂を厚く(7cmほど)敷き、以前記事にした『人工ライブロックスタンドを使用し、砂掘り対策を施した水槽』で飼育しています。
成長と生態・体の模様変化
さきほども書きましたが、コンビクトブレニーは成長すると30cm近い体長にまで育ちます。
体表の模様も『横ライン1本線』だったものが『だんだら縞模様』に変わり、その模様が囚人服のようであることからコンビクト(囚人)という名前がついているそうな。ちょっとひどいネーミングですな…。
体表の模様の変化や成長過程についてはこちらの別記事をご参照下さい。
とにかく成長するにつれ引き篭もることに命をかけ始め、餌の時しか顔を出さないように。
しかしそれすらどんどん変化していき…
『エサの時間だから顔を出す』
↓
『顔は出したくないけどエサが欲しいから出す』
↓
『エサは欲しいけど顔は出したくない』
↓
『顔を出すくらいなら餌はいらない』
…と、ひっぱたきたくなるほど面倒臭いヤツに。おまえはイイ歳して引き篭もっているオッサンかっ!!
このあたりは『引き篭もっていられる恵まれた環境』で育てるとまるで出てこなくなり、幼少期から『引きこもれない環境』で育てばそれなりに外に出てくるようです。まさに人間と同じですな。
強い水流が必要?
コンビクトブレニーについて他サイト等の飼育情報を調べると『強い水流を好む』という話が見受けられます。
一ヵ所で書かれるとコピペコピペであっちにもこっちも「水の流れがあったほうが良い」と書かれてしまいますが、その理由に関して言及しているところはありませんし、私にも理由はわかりません。
一応、水流強めの水槽(1000L/h程度の流水量ポンプを使用)で飼育していますが、これがどう効果があるのかは今のところ不明です。
コンビクトブレニー飼育方法
まとめと個人的感想
私はすいすい泳ぐメジャーな魚類には一切魅力を感じず、ちょっと風変わりなヤツや底生のヤツばかりに魅力を感じるのですが…このコンビクトブレニーはホント可愛い。
しかし成長するにつれてどんどん臆病になり、あまり顔を見せてくれなくなるのが残念ですし、なにより餌やりが大変で腹が立つ事も…。
ポイントをまとめると
- とても丈夫で餌付きも良く、飼育しやすい
- ものすごく底砂を掘りまくるので対策が必要
- 大きくなるとあまり出てこなくなる
- 最大で30cmになると言われているので、しっかり覚悟を
…といったところです。
見てくださいよ、この餌を貰いに来るときの顔。黒目がち(と呼んで良いのかどうか…)な目もたまりません。どんな生き物も子供の頃は可愛いもんですなぁ。
あまりの可愛さと、そのお手頃な価格に『数匹入れちゃおうか!』とも思ったのですが…30cm級の魚が数匹入れるような水槽は今のところ手一杯ですので、一人っ子政策で過保護に飼育しています。
それが今ではバケモンみたいなルックスですからね…(泣)