栗?タワシ?『コシダカウニ』飼育方法・注意点・エサなど
見た目のキュートさから飼育してみたくなるウニ。その中でも比較的メジャーな『コシダカウニ』の飼育方法や食べるエサ・藻類、飼育の注意点などをご紹介。世間では「ウニはレイアウトを崩す」などと言われていますが、その点についても…。
コシダカウニ
ショップで手に入るウニとしては、シラヒゲウニに次いで流通量が多い。
最大でも4cm前後で、水槽飼育にも適したサイズ。
茶&黒のツートンがほとんどだが、灰&黒も稀に見かける。
コシダカウニの飼育方法
適正水温:
20~25℃
水温幅は広い
エサ:
藻類、海藻
餌付け難易度:低
ほっとけば勝手に水槽内の藻類(石灰藻含む)を食べている。与えればワカメ等も食べる。
飼育難易度:低
藻類さえ豊富であれば飼育は容易
混泳:
甲殻類や魚類との混泳は可。サンゴとは避けたほうが良い。
細かいものや軽いものを身体にくっつける性質がある。
毒は無い。
水三輪的な飼育情報
ウニの仲間でも実にキュートなルックス。
ちょこんと丸いシルエットはまさに『和栗』もしくは『タワシ』のようで、棘の生えていない部分とのツートンも美しい。
シラヒゲウニが男子向けならば、コシダカウニはまさに女子ウケを狙ったウニと言っても過言ではありません。いえ、やっぱり過言です。
食べる藻類・掃除屋として
コシダカウニは藻類を食べることから、『水槽の掃除屋』として販売されていることも。
他のウニ同様、緑の藻類から赤い藻類(シアノは除く)、駆除の難しいシオグサ(硬くて短い緑色の藻)まで食べてくれるため、非常に優秀です。
…が、やはり他のウニ同様に石灰藻も大好物。
わたしゃ事あるごとに「世のマリンアクアリストは石灰藻にこだわりすぎ」を主張しているので好きなだけ食ってもらってかまわないと思いますが、たしかに美しい色味も海水水槽の魅力ではありますので、せっかくの赤や紫を真っ白にされるのが嫌な人はウニはやめたほうが良いでしょう。
真っ赤っ赤だったライブロック(シオグサ等の藻類がもっさり)も、コシダカウニ1匹で…
…驚きの白さに!
カンギクガイやタカラガイなども石灰藻を食べたりしますが、ウニは貝類とは比べ物にならないパワーなので、食った跡はヤスリで削り取ったかのよう。
そして彼らが食べる優先順位は『ライブロック表面の柔らかい藻類>石灰藻>成長した藻類』なので、モサモサ生えているヤツは後回し。
ウニ類に『藻類の掃除屋』として過度の期待をするのは禁物です。
レイアウトを崩す?
ウニは別名『レイアウトクラッシャー』と呼ばれ、まるでブルドーザーのような勢いでライブロックを崩していく…と言われています。
ぶっちゃけ個人的には「そこまでか?世間の人はどんだけ不安定なレイアウトなの?」と思っているのですが、大きく育ったウニはたしかに強引に突き進むので一応注意したほうが宜しいかと。
対策としては…
- 崩されないようなシンプルなレイアウトにする
- 頑丈に接着する
- 諦めて好きにさせる
の3種類になるかと。
コシダカウニの名の由来と特徴
コシダカウニは『棘が生えている部分と生えていない部分が明確に分かれている』というのが大きな特徴。
上から見ると綺麗に放射状。
ちなみにこの”棘が生えていない部分”は『裸状帯域』と言うそうな。
おっと、ちょっぴりウンコ垂れてますな(ウニは底面が口、てっぺんの真ん中が肛門_)。
コシダカウニの『コシダカ』の由来は、ウニを横から見た時に最も膨らんでいる部分(腰)が高い位置にあることから。
基本的にウニは下膨れなのですが、コシダカウニは真ん中あたりが膨らんでいてい球状に近い形。しかしウニに『腰』があるとは…。
コシダカウニとシラヒゲウニ
ショップで手に入るウニとして最もメジャーなのがこのコシダカとシラヒゲ。
二種を比較すると…
- シラヒゲウニはデカくなる(最大で10cm程度)コシダカウニは最大でも3~4cm
- シラヒゲウニのほうがアクティブに動き回る
- 食性はほぼ同じ
といったところ。
見た目や色などもあり、好みは人それぞれですので「こっちがおすすめ」とは言えませんが、超個人的には『飼いやすいのはコシダカ、藻類を掃除させるならシラヒゲ』といった印象です。ただしシラヒゲはデカくなるうえに見た目通りの暴れん坊なので、そこは覚悟の上で。
シラヒゲウニの飼育方法等はこちら
コシダカウニ飼育方法・まとめ
コシダカウニの飼育方法や注意点をまとめると…
- 藻類を食べるが、石灰藻もガンガン食べる
- それほど大きくならない(最大でも4cm前後)
- レイアウトを崩す場合がある
…といった感じに。
まるでコーンロウ(黒人等がやっている編み込みヘアスタイル)のような見た目がお洒落で、落ち着いたツートンの色味も素敵。ウニは意外と水槽映えする生き物ですのでインテリアとして飼育するのもオススメですぞ。
なおシラヒゲウニは沖縄などで食用とされていますが、コシダカウニを食べる風習はないそうな。