ボサボサ暴れん坊『シラヒゲウニ』飼育方法・エサ・注意点など
海水水槽をやっていると一度は飼育してみたくなるウニという生き物。その中でも最も手に入れやすい『シラヒゲウニ』の飼育方法、食べるエサ、飼育の注意点などをご紹介。「ウニはレイアウトを崩す」と言われていますが、その点についても…。
シラヒゲウニ

ショップで手に入るウニ類の中では最もメジャーで価格も安い。
最大で10cmとウニの中でも大型の部類だが、売られているのは3~4cm程度がほとんど。小さいうちは予想以上に成長が早いが、徐々にペースは落ちてくる。
レッド系やグリーン系など色も多種多様。上の写真はレッド&イエローで、シラヒゲの中ではけっこう派手なタイプ。
シラヒゲウニの飼育方法
適正水温:
20~25℃
水温の幅は広め
エサ:
海藻類、藻類
餌付け難易度:低
ほっとけば勝手に水槽内の藻類(石灰藻含む)を食べる。個別にワカメなどを与えても食べる。
飼育難易度:低
ただ飼育するだけなら簡単。
混泳:可
甲殻類や魚類との混泳は可。サンゴとは避けたほうが良い。
細かいものや軽いものを身体にくっつける性質がある。
叉棘に弱毒を持つが、手で軽く持つ程度ならば全く問題無し。基本的に魚が毒でやられるようなこともない。
水三輪的な飼育情報
ちっちゃくてトゲトゲ、色もカラフル。
女子のみならず四十路を迎えたオッサンですら「いや~ん可愛い~」とクネクネしてしまいそうな『シラヒゲウニ』
一般的にショップで売っているウニは大半がシラヒゲで、まさに水槽飼育ウニ界のド定番とも言える存在です。
ちなみに沖縄では食用にするそうな。
食べる藻類・掃除屋として

シラヒゲウニは藻類を食べることから、水槽の掃除屋として紹介されることもしばしば。
その種類は多岐にわたり、緑から赤まで多くの種類を食べ物とみなします。
中でもいったん増えると対処が困難、食べる生き物も少ない『シオグサ』と呼ばれる藻(緑色で硬く短いブラシ状)も食べる場合があり、その点は優秀。
しかし茂った藻類をバクバク食べるわけではないので、過度の期待は禁物。
そして水槽環境のバロメータ、石灰藻もかなり好んで食べます。
石灰藻なんぞ良好な環境を保っていればいくらでも増えますし、減ったからといってライブロックの生物ろ過能力が低下するわけではありませんが(これを勘違いしている方や、誤情報を広めているアクアブログは多い)、見た目的に石灰藻を剝がされるのが嫌ならばご注意を。
ちなみにワカメなども食べます。さらに与えればレタスやキャベツも食べます。要するに植物性ならばなんでも食います。
生きたブルドーザー
食べる藻類の種類も多く、丈夫で機動力もある。優秀な藻類の掃除屋と評されても良いようなものなのに、ウニが敬遠される理由、それは・・・
トップクラスのレイアウトクラッシャー
だから。
高速で激しく動き回るような事はないものの、やけに強引に突き進む事があるため、乗せるような形でレイアウトしているライブロックは容赦なく崩してしまう場合も。
対処法としては
- 崩されないようなシンプルなレイアウトにする
- 頑丈に接着してレイアウトする
- 諦めて好きにさせる
の3種類。
ちなみに私はインテリアで海水水槽をやっているわけではないので③です。というか、「シラヒゲってそんなに崩すか?」というのが正直な感想。ライブロックを多数積み重ねた水槽で飼育しても、崩された経験はほぼありません。
みんなよほどアンバランスなレイアウトしてる?それともエサが足りてない?
身体にくっつける
シラヒゲウニは身体に小さいものや軽いものをくっつけるのが大好き。
サンゴ砂を敷いていればそれをくっつけ、ライブロックのカケラがあればそれをくっつけ、千切れた藻類があればそれをくっつけます。

サンゴのプラグなどもくっつけていくため、入れたばかりのマメスナなどは注意が必要。というかその手のサンゴとウニの同居はアウト。
場合によってはキスゴム式の水温計などもひっぺがして持ち歩いたりします(笑)
シラヒゲウニとコシダカウニ
水槽飼育用で最もメジャーな『シラヒゲウニ』ですが、それに次いでポピュラーなのが『コシダカウニ』

シラヒゲウニは棘が太く、時々あっちこっちを向いてボサボサになっているワイルド野郎。一方コシダカウニの棘は細く短く、刈り込まれたような綺麗な見た目。まるで和栗。
シラヒゲウニは最大で10cm(高さは6~7cm)ほどに成長するそうですが、コシダカウニは最大でも5cm程度。
この同じくらいの大きさだった二人も、1ヵ月ほどすると・・・

このくらい差がつきます。コシダカウニはほぼサイズが変わらず直径2.5cmほどなのに対し、シラヒゲウニは3.8cmに成長。
『シラヒゲウニの成長はあまり早くない』といった記述をしているサイトもありますがとんでもない、それはある程度以上に大きくなってからの話。食べ物が豊富な場合、直径6~7cmくらいまではあっちゅー間に育ちます。
『コシダカウニ』の飼育方法はこちら。
コシダカウニも飼育方法はほぼ同じなので、記事内容もほぼ同じ。もう写真だけ差し替えてコピー記事にしようかと思いましたが、頑張って別に書きました。
シラヒゲウニ飼育方法・まとめ

見た目は魅力的、価格もそれほど高くはない。しかし『レイアウト崩し』の名が有名なために敬遠されがちなシラヒゲウニ。
飼育に関してまとめると…
- 食べる藻類の種類は多いが、過度の期待は禁物
- 石灰藻はどんどん食べる
- レイアウトを崩す場合がある
- 毒を持つが触る程度は大丈夫。魚も大丈夫
…といった感じ。
個人的には『モサモサ生えた藻類はあまり食べないし、レイアウトもそれほど崩さない』というイメージですが、まぁ環境差がありますので。
めちゃくそ可愛いし、すごく飼育しやすいし、私としてはダントツの愛されキャラなんですけどねぇ。