赤ゴケ除去・アンチレッドは本当に無害?検証してみよう!

淡水であれば海水であれ、水槽にコケ・藻類はつきものですが・・・特に海水水槽で嫌われるのが『赤ゴケ』

その対策用として各メーカーからアンチレッドや赤ゴケキラー、レッドスライムリムーバーなど商品が発売されていますが・・・今回はその中でも王道、カミハタのアンチレッドを使用してみました。

「生体には影響ありません」となっているものの、それはあくまでも売る側の説明。まさか注意書きに「赤ゴケは取れますが、ちょいちょい生き物が死にます」とは書けませんもんね・・・。

というわけで、こういうアイテムは好きではないのですが恐る恐る試してみました。果たしてその効果は…。

そもそも赤ゴケって?

ひとくくりに赤ゴケと呼ばれますが1種類の明確なものを指すわけではなく、赤い色の藍藻類やシアノバクテリアの総称になります。

マリンアクアリウムでは「シアノバクテリア」というと「赤くてべったりした悪いヤツ」を指しますが、本来は藍藻類の事を指しており、別に「シアノ=赤」というわけではありません。

「赤ゴケ」の認識も人によって違いがあり、べっとりした赤いシアノバクテリアのみを「赤ゴケ」と呼ぶ方もいますし、フサフサしている赤い藻類も「赤ゴケ」と呼ぶ方もいます。

ニュアンス的には「赤けりゃ赤ゴケ」という乱暴な括りです(笑)

エメラルドグリーンクラブと赤ゴケ

エメラルドグリーンクラブの頭の上にある飾りサンゴについているべっとりした赤。これはアクアリウムではシアノバクテリアと呼ばれる類です。

底砂にも赤い藻類がついていますし、エメラルドグリーンクラブの体に生える藻も赤いのが生えてしまっています。

赤ゴケが増える原因はイロイロありますが、こいつらは増殖も早く、いったん発生すると根絶には時間がかかってしまう事も。

茶ゴケや緑色の藻類と違って食べてくれる生き物も少ないので、生物兵器での対応も難しい種類になります。

クモヒトデと赤ゴケ

ちょっとわかりづらいですが、大量のクモヒトデの後ろにべっとりついているのもソレ。

シアノバクテリアも光合成しますので、このように気泡が付きます。

本当はもっとわかりやすくべっとりした写真があれば良いのですが・・・残念ながら見つかりませんでした。申し訳ない。

アンチレッド降臨

実は私の水槽の1つでも、とあるきっかけで赤ゴケと呼ばれるものが増えてしまいました。

こういった薬品を使用するのは避ける派ですので、マメな掃除と水換えでかなり減ってきてはいたのですが・・・いつも行くショップで「GWセール!40%引き!」となっていたため、安さにつられて思わず購入(笑)

カミハタ アンチレッド

箱がボロいのでおそらく売れ残り処分品です。

使用方法をざっくり説明すると・・・

1日目:飼育水10Lに対し、アンチレッド1mlを添加

2日目:飼育水8Lに対し、アンチレッド1mlを添加

3日目:飼育水6.6Lに対し、アンチレッド1mlを添加

と、ちょっとづつ量を増やしながら3日間続けて投与。それでもまだ残っている場合は、二週間以上あけて再度1日目から投与・・・となります。

そして「魚・サンゴ・無脊椎・海藻類には影響を与えません」とされていますが、注意書きとして「規定量を超えて投与した場合、稀にシャコガイ類に影響を及ぼす事があります」となっています。

私が使用を予定している水槽にはシャコガイなんて入っていませんし、しっかり規定量を守って使えば影響無し!と思えるのですが・・・

「それで利益を得ている人間の言い分は鵜呑みにしない」

というのが私の人生モットーですので、メーカーの主張をそのまま信じるわけにはいきません。自分の目で見て、検証してから判断です。

疑いの眼で検証

いきなり目的の水槽にぶっこんで大惨事になってからでは遅いので、まずはテスト水槽を作ってそこで試用してみました。

20cmキューブ水槽と60cm水槽の2本を使い、濃度を変えてテストします。

60cm水槽でアンチレッド

こちらは60cm水槽。赤ゴケが着いているライブロックを入れて、規定量よりも薄め(15Lに対し1ml添加)でテスト。

対して20cmキューブのほうはきっちり規定量を添加してテストします。

そして翌日・・・・

アンチレッドでクモヒトデがっ!

く・・・クモヒトデちゃんたちが!!(泣)規定量を添加した20cmキューブはヤバいことに。

魚類や貝類は入れなかったものの、ライブロックに住んでいるクモヒトデは取り除く事ができなかったのでそのままになっていたのですが・・・わらわらと逃げ出しているではありませんか!

出てしまったぶんは救助&隔離します。急げー。

クモヒトデ

こんなに集まりました。

あ、申し訳ない、「閲覧注意!」と言っておくのを忘れました。人によってはキモい写真でした。

逃げ出していないクモヒトデも元気がないのですが、引っ張り出そうとすると足を自切するので助けられません。。。

これ・・・果たして生体に影響ないと言えるのでしょうか・・・。

飼育水槽へ投入…するべきか否か

その後説明書に記載してあるように3日間添加しましたが、規定量を投入した20cm水槽のクモヒトデは全滅。薄めに添加した60cmのほうは問題ありませんでした。

肝心の赤ゴケはというと・・・減っているような気もしますが、赤ゴケが多くついたライブロックは水槽から取り出せなかったので、いまいち効果がわかりません。

・・・うーむ。

これを飼育水槽に投入して良いものでしょうか・・・。しかしそれをやらないと「赤ゴケ・使用前&使用後」の写真をお見せする事ができませんし、実際に使用して安全かどうかをお伝えする事もできません。

・・・やりましょう。

でも嫌な予感しかしないので、若干薄めで添加します(笑)

アンチレッド・水槽投入

アンチレッド使用前

使用前のライブロックの状態です。わかりやすいように1個のライブロックだけで追ってみます。

ライブロックにも底砂にも、赤いのが生えています。

さて、しっかり水量を計算して規定量を出しますよー。

ここで注意!!

水量を計算する際に、水槽の諸元に記載してある『総水量』や、一般的な『(高さcm×幅cm×奥行cm)÷1000=〇〇リットル』だけで水量としてはいけません。

底砂やライブロックが入っていれば、そのぶん水量は減ります。外部フィルターの『濾過槽容量』なども、中に入れる濾材の体積は計算にはいっていません。

飼育水槽に入っている底砂&ライブロックの体積を正確に知る事はできませんが・・・しっかり入っている量を考慮して水量を出さないと過剰添加になってしまいます。

水槽レイアウトにもよるのであくまでも目安になりますが、3cmほどの底砂と適度なライブロックを入れただけで空っぽの状態の水量より1~2割くらい少なくなります。

ちなみにアンチレッドはかなり色のついた液体ですので、入れると水が茶色っぽくなります。

入れる際は直接ではなく、別容器などに飼育水を1リットルほどとり、それに混ぜて水槽に戻しましょう。

・・・翌日

心配でいつもより早く目が覚めてしまいました。

水槽はどうなっているでしょう。急げっ。

貝類が逃げ出す

うわあああ!貝類がっ!!

タカラガイ、ムシロガイ、ヨウバイの多くが水面際まで登ってしまっています。マガキガイは登っていませんが、明らかに元気がありません。

貝類は水質が不適切だったり酸素が足りなかったりすると、このように水面際に来る傾向性があります。(必ずしもそうとはかぎりませんし、そういう行動をとらない場合もあります)

そして・・・

アンチレッドを飼育水槽に(1日目)

うわああ、やっぱりクモヒトデも出てる!!

もうあっちこっちでガラス面を登っています。規定量よりも少なめで添加したのに・・・。

肝心の赤ゴケのほうはというと、こんな感じです。

翌日のライブロック

あまり変化は見られません。後ほど並べて経過をお見せするので、とりあえず先に進んで大丈夫です。

この状態のまま二日目の量を添加する気にはなれませんので、まずは貝類を避難させましょう。

クモヒトデも救出できるぶんは全部救出します。

魚類とエビ、ヤドカリには影響は見られません・・・が、私にとっては十分に被害が出ている気がします…。

2日目の投入・・・断念!

申し訳ない、この状態で二回目の添加をする気にはなれませんので、アンチレッド投入は中止としました。

貝類は避難させた状態で、もう1日だけ回して・・・3日目に水換えをすることにします。

どうにか復活してくれ・・貝類よ・・。

最終報告

三日目の朝、赤ゴケはずいぶんと無くなっていました。

連続で経過写真を載せますと・・・

アンチレッド添加前
アンチレッド添加後

こんな感じになります。

この写真を撮影後にすぐ換水し、その後2日続けて少量換水を続けて落ち着くには落ち着いたのですが・・・あんなにモサモサと大量に元気だったクモヒトデたちはすっかり減ってしまいました。

そして残念なことに、避難させていたヨウバイが1匹亡くなりました。

最初にお見せした、クモヒトデが生えていたライブロック。最初はこんな感じでしたが・・・

クモヒトデと赤ゴケ

現在では以下のようになっています。

少なくなったクモヒトデ

たしかにべっとりした赤ゴケは無くなって綺麗になりましたが、クモヒトデも減りました。残っているヤツも細くて元気がありません。

なお赤ゴケだけでなく、全体的に藻類は無くなりました。

アンチレッド検証・まとめ

こういった結果は水槽環境によって大きく変わりますので、全ての方に当てはまるとは言えません。あくまでも「そういった例もある」といった感じで捉えて欲しいのですが・・・

私の水槽環境での使用感と注意点は、

  • シャコガイに限らず、貝類は危険
  • クモヒトデも危険
  • 魚類とエビ類には影響がなかったものの、規定量を三日間添加していないので不明
  • 使用後はアンモニア数値が急激に上昇
  • 肝心の赤ゴケには効果絶大。

といった結果になりました。

たしかに手作業ではどうにも根絶できない赤ゴケやシアノバクテリアは、たった一回だけの添加でもすっきり綺麗にすることができました。

底砂についていた赤い藍藻類も全て綺麗さっぱりなくなっていますので、大事な目的である「赤ゴケ除去」という観点で見れば、とても有益な商品だと思います。

最終的に私としては「赤ゴケへの効果は絶大!でもちょっと危険な液体」という結論です。

もちろん全く影響なく使用できている方もいますので、こんなん使ったらダメだよ!と言っているわけではありません。

ただ、そういう結果もある・・という事を踏まえたうえで使用していただければと思います。

・・・と、こんな事書いておいて商品リンクを乗せるのもアレですが・・・中には全く貝類を飼育せず、エビだけとか魚だけとかで水槽を回している方もいると思うので一応・・

使用の際は最低限、アンモニア測定の用具は準備しておいたほうが良いと思います。

良い点と言えるかどうかわかりませんが、どうやら赤ゴケが死滅したあとの薄緑色の藍藻(赤ゴケの色素が残ったものだそうです)は美味しいらしく、藻類を好む魚やエビカニが喜んで食べていました。

今回はしっかり規定の三日間添加せずに、中断したうえでの結果報告となってしまって申し訳ありません。

でも効果はすごいですよ!たった一回でも綺麗になりましたから!赤ゴケに悩む人にはオススメです!

・・・と、メーカーからのお叱りを恐れるあまり、媚を売った発言で締めくくっておきます。いやホント、環境によってはオススメだと思いますよ。環境によっては。。。

追記)
三ヵ月経過後も赤ゴケの再発生はなく、かなり綺麗な状態を維持できています。

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