ダンゴムシのような貝『ヒザラガイ』飼育方法?や性質など…

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パッと見はダンゴムシ。しかし足は無くぺったりとガラス面やライブロックに張り付いている貝。それが『ヒザラガイ』というヘンなヤツです。飼育方法…と言えるかどうかわかりませんが、見かける事も多い生き物ですので、とりあえずアレコレとご紹介してみようと思います。

ヒザラガイ

ヒザラガイ・飼育方法

適正水温:
20~25℃(種類によって異なる)

エサ:
藻類

飼育難易度:低~高
種類によって適正な環境が違うため、一概に飼育難度の判断は不可能。ライブロックについてくる個体であれば一般的な飼育水槽環境で生存できる可能性が高い。

餌付け難易度:
人工餌等で独自に餌付けをする例を聞いたことがないため、餌付け難度は謎。

日本国内の海岸にも生息する軟体動物の一群。ヤスリヒザラガイ、ケムシヒザラガイなど、多数の種類があり、見た目も大きさも大きく異なる。

ガラス面やライブロックについた藻類を食べるので掃除屋としての働きもある。ただし削り取る力はかなり強く、種類によっては石灰藻まで食べてライブロックを白くしてしまう場合も。

水三輪的な飼育情報

その姿はまるでダンゴムシ。もしくはワラジムシ。

「飼育!?この生物で飼育情報!?」となった方も多いかと思いかと思いますが、当サイトの変な方向性を象徴するかのような謎&地味な生物ですから、避けて通ることはできません。果たしてこの生物を「飼育対象」として見れるアクアリスどれだけいるのでしょうか・・・。

まず「ヒザラガイ:1匹180円」などと販売などされている事はないため、ライブロックにくっついてきて意図せずに水槽にお迎えするのが通常だと思います。

ちなみに見た目の表現として『ダンゴムシ』と言っていますが、生物的には全く別モノ。海中生物でダンゴムシに近いのは『コツブムシ』です。

なんだこれ!なんか変なのいる!

私が初めてヒザラガイと出会ったのはまだ髪もフサフサ、茶髪や金髪を楽しむ事ができたマリンアクアリウム初心者時代。ライブロックに付いてる生物の大半を「謎生物」と感じていた頃ですな。

新しく購入したライブロックをキュアリングしていたところ「う、なんか気持ち悪い生物がポロポロと落ちてる!」と、ウギャーな気分になったのが出会い。初対面の印象は最悪です。

もう何の仲間なのかもわからない。調べようと思っても、どう検索して良いのかもわからない。

「ライブロック 生物 気持ち悪い」

などと入れてみても、出てくるのはピロピロ系の長いヤツだったり、グニグニ系の柔らかそうなヤツだったり。。。

後ほど知るのですが、その時に出会ったのは「ケムシヒザラガイ」という種類だったようで。コイツはヒザラガイファミリーの中でも抜群に気持ち悪いルックスを誇っているのですよ。

ぜひ後で検索してみてください、イモムシみたいな背中にゾワワッとなりますよ。できれば食事中などに検索してみるのが良いでしょう。

どんなにキュアリングしても次々にポロポロ出てくるケムシヒザラガイに、「このライブロックはダメだ!もう煮てしまおう!いや、煮ていっぱい出てきたらそれも気持ち悪いし、このまま捨ててしまおう!」とか考えたのは今となっては愚かな思い出です。

コケ掃除を頑張る貝

そんな素人丸出しの少年も無駄に歳と経験を経てオッサンになり、クモヒトデと握手を楽しむような変人アクアリストへと昇華しました。

さて、そんな私から可愛いヒザラガイファミリーをご紹介したいと思います。この気持ち悪い謎生物を「大事な飼育対象」として「可愛い」とか言うようになったらもう末期症状ですが、悪い気はしませんよ。

ヒザラ家族

ちょっとわかりづらいですが、小さいのが複数付いています。まるで三葉虫の化石のようにも見えますが、元気に生きています。彼らもライブロックにくっついてお迎えしました。

だいたい昼間はこんな感じですが、夜になると…

掃除に出発

「小さなお掃除部隊、発進!!」

昼間は生きてるのか死んでるのかわからないヤツらですが、夜になると活発に活動し始めます。

ただし食べるコケ(藻類)はこびりついた珪藻類のみ。「ふさふさした藻類」などは食べてくれません。

サイズがサイズですので目に見えるような掃除能力はありませんが、シッタカガイなど他のガラス面の掃除屋にはあまり見られないウリもあります。

ガラス面掃除
薄っぺらさを生かしての潜り掃除!

彼ら、かなり底砂に潜り込めるんです。

この「底砂の断面部分」ってめちゃめちゃ汚れるじゃないですか。他の貝類は奥底まで潜っての掃除はしてくれませんし、自分で綺麗にしようと思っても底砂を混ぜてしまうので難しい。しかしヒザラガイならばどこまでも潜り込んでいってガラスを掃除してくれるのです。

「底砂の断面って目立つクセに掃除できないのよね、困ったわ…」とお困りの奥様も、ヒザラガイさえ飼育すればガンガン潜って掃除してくれます。ぜひ今夜、旦那さんにおねだりしてみましょう。

曲げ掃除

これは別の60cm水槽、やや大きめのヒザラガイです。意外と柔軟性があるので曲げ部分もこの通り。

底砂は細かくても粗くても、変わらず潜ります。そして昼間はそのままの状態で休んでいます。

飼育のポイント

明確な飼育方法が確立されていませんし種類も多くそれぞれ性質が異なりますので、あくまでも私が出会ったことのある種類限定で、個人的な経験によるものですが…

ヒザラガイは高水温に弱いです。

前述したように「ケムシヒザラガイ」は25℃でも落ちて死んでしまいました。

ライブロックにへばりついてきた種類はある程度大丈夫ですが、それでも夏場に水温が上昇してしまうと死んでいくものが出てきます。長くお付き合いしたい場合は水温上昇にご注意下さい。

そして彼らの繁殖方法は雌雄異体で海中放出の体外受精です。

同様の繁殖方法でありながら飼育水槽内で増えていく生物はいますが、ヒザラガイの水槽内繁殖はかなり難しいようです。

ヒザラガイ飼育・あとがき

とりあえず「うちの水槽でもヒザラガイを飼いたい!」という人は少ないだろうと思いますが、「まずどうやって仕入れるのよ」って話にもなってくるので…ゲットできたら幸運という事で。ライブロックだけでなく、マクガイにくっついてくる事もありますよ。

ちなみにエサは特に与えてはいません。ガラス面とライブロックにつく珪藻類で長期飼育できています。

なお掃除に関してですが「全てのヒザラガイがガラス面を掃除してくれる」とは断言できません。ライブロックをスタンド(底砂と接しないようにライブロックの下に入れる足)などで上げていると、ガラス面には移動してくれませんでした。直接底砂の上に置いていないとダメなようです。

もし幸運にもあなたのライブロックからこの謎生物が出てきたならば、ぜひ観察してみてください。そして可愛がってあげてください。大丈夫、見た目はそのうち慣れます。

しかし、コイツを食用として食う地域もあるそうですよ。いやー、わしにゃ無理です。可愛いから?いえいえ、こんな気持ち悪いの食う気になりませんよ…。

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