ヘンな底面濾過で海水水槽を楽しもう!戯れ水槽工作
水槽を新たに立ち上げるのが好きです。いろいろとヘンな思いつきでモノ作りをするのが大好きなんです。なにげに飼育する事よりも好きだったりします。
と言っても、一般的な『キレイな水槽』ではなく、知恵と金をふんだんにつぎ込んだ『ハイスペックな水槽』でもなく・・・まるで男子中学生が作るような、世間のアクアリスト達には冷笑されてしまうような、「チープで変な水槽」を作るのが楽しくて仕方がないのです。
いわば「僕が考えた変な水槽」ってなもんです。
一般的な流れ
- 飼育したい生き物がいる
- ニモ!ニモがいるよお父さん!
- 飼育できる環境を作る
- どうやったらニモ(カクレクマノミ)が飼えるのか調べてみよう。
- 必要な設備を購入し、適切な水槽を立ち上げる
- 本やネットで調べて、正しく水槽セッティングOK。さぁニモを買いにいこう!
これがノーマルです。お魚たちも「常識人に買われてよかった」と一安心。
注!)
誤解されがちですが「ニモ」はカクレクマノミではありません。クラウンアネモネフィッシュです。
水三輪的な流れ
- 水槽工作がしたい
- 作りたいっ!作りたくて仕方がないっ!
- テーマを決めて工作遊び
- どうやったらバカみたいな水槽が作れるか・・
・・・むむっ!ピピーンときたっ!!
- 完成!海水を入れて、稼働させて眺める
- まさに至福の時。
このまま生き物なんて入れたくない。
ただただ綺麗な空っぽ水槽を愛でていたい。
- 見飽きたら飼えそうな生き物を入れる
- もう十分に水槽は愛でたし、せっかくだから変な生き物を探してこよう。
これが私の流れ。作る作業自体が目的です。魚たちも不安で仕方ありません。
I LOVE 底面濾過
…というわけで今回も作ります。濾過方式はいつものごとく『底面濾過』を採用。
以前にも何度か、底面濾過の水槽を作って遊ぶ様子をご紹介しました。
参考記事
⇒「海水水槽で底面濾過して遊びたい!」
(追記:底面濾過を応用して「壁面濾過」の水槽も作成してみました⇒「陸地つき海水水槽を作る!【戯れ水槽工作シリーズ】」)
今まで様々な濾過方式を使ってきましたが、やはり底面濾過方式の水槽が最も環境良く、簡単に長期間安定して水質を維持しやすいのです。
そして謎生物マニアの私にとって「微生物を濾過装置内に吸い込みづらい」というのがなによりも大きい。これだけでもう底面一択ですよ。通常の水槽環境では繁殖が難しいとされるヤドカリやクモヒトデ、ケヤリなどの生物も、底面濾過ならば繁殖可能です。
しかし、いつもいつも同じような水槽作ってもつまりません。テーマを決めましょう、テーマを。
と、いうわけで今回のお題をどーん!
変な底面濾過海水水槽を!
難しいっ。「変」と「水槽としての性能」の両立、なんと難しい事か。
とりあえず頭の中に完成図を描き、工作を始めます。
ベースに使うのはコレです。
以前淡水に使っていたものの、邪魔になって倉庫に眠らせていた60cm水槽。
10年ほど前に買ったフレームあり角柱ありの古いタイプです。しかしシリコンもまだしっかり元気。角もプラスチックの柱のおかげで問題無し。やはり古いタイプのほうが長持ちしますな。
水槽に限らず、最近の製品は見た目だけ良くてすぐ壊れるじゃないですか。スマホもすぐバカになるし。ガラケーなんて数年くらい余裕で使えたじゃないですか。
…と、話を水槽に戻して。まずはコイツに底面フィルターを敷きます。
60cm水槽用として売られている物をそのまま使うと・・
こうなります。
メーカーとしてはこのように使う事を推奨しているのでしょうが、わたしゃ周囲の隙間がどうにも気に入らない。
なので小さいものを使って・・・
このように全面に敷き詰めます。これがいつものパターン。
60cm水槽には水作のボトムフィルターMがサイズ的に丁度良いのです。
これを8枚(2セット)使う事で全面フィルター化します。今回もマットは敷きません。
続いて吸い上げ装置。前回は「コトブキのパワーボックスSV900X」を使いましたが、もちろん今回は違うものを使って遊びます。以前から気になっていたコレ・・・
「コトブキのプロフィットフィルターBIG」なんて用意してみました。
外掛けのクセに流量が9L/分と、外部フィルター並みだったことと、個人的に「コトブキ」の製品で大ハズレと感じた事がないのも理由の1つです。
(水槽はダメです。コトブキは付属のガラスフタが大きすぎたり小さかったり、適当すぎ)
厚めに底砂を敷けばかなりの濾過面積を稼げるので、私のようにあまり生物を多く入れない飼育環境ですと、外部フィルターのような大きな濾過槽が無くとも生物濾過は十分に間に合います。大事なのは流量ですのでコレにしました。
そして開けてびっくり。
で・・・でかいっ!!
私は身長がかなりデカいので手もデカいです。なので写真では思ったより小さく見えますが・・横幅は約30cm・高さは20cmほど。現場労働者の弁当箱くらいあります。BIGの名は伊達ではないようです。
吸い込みパイプの径が底面フィルターからのパイプと同サイズだったので・・・
ホースを切ってねじこんで・・・
このように接続します。この部分は掃除などの際に外す必要があるので「キツすぎずユルすぎず」が理想。今回は上手くいきました。
うーむ、普通に『底面濾過とプロフィットフィルターBIGをつなぎました』で終わったらつまらんですな。
よし、大好きなコレも使っちゃいましょう。
コンパクト!シンプル!そして安い!…のパワーヘッド(水作)。なぜか10個くらいストックしてあります。
流水量は決して多くはありませんが、とても使いやすいんですよ。難点は目立つ場所にメーカー名と商品名が入っている事。そして綺麗に剥がせるシールでもない。これ、水槽内の雰囲気を壊すのでどうにかして欲しいです。
浮遊する微生物を吸い込まないように
正面吸水口はこのようにバスボンドで埋め、底面フィルターに接続したパイプからのみ水を吸い上げる形にします。
これを2個使ってみましょう。そうです、今回は「三連式底面濾過水槽」というわけです。
どんなバカな見た目になるか…さぁさぁ組んでみまずぞー。
がははははは!ホントにバカみたいだ!(笑)
悪くない出来栄えです。それにしてもBIGのデカさったら・・・写真で見るとまるで30cmスリム水槽のように見えますな。
しかし・・これだったらパワーヘッドを4つ並べたほうが、さらに笑えたような気が…。なんとも中途半端感が出てしまいました。
正面から見てみます。まるで工場か石油コンビナートのよう。
プロフィットフィルターBIGの濾過槽は深くて広いのでヒーターはその中に設置します。
このようにスリットを1箇所、端まで切断してコードを入れます。ここからエアチューブも入れ、濾過槽内でエアレーションもできます。
この「ヒーターなどを隠す空間」がどうしても欲しかったのでプロフィットフィルターBigを使ったのですが、やはりパワーヘッドを4連・・・いや、8連にして「ものすごくバカっぽい雰囲気」を出してみたくなりました。
よし、それは次回以降のお楽しみです。
完成
海水は他の水槽からもらってくるので、完全に新規で作るよりはだいぶ早く立ち上がるでしょう。
しばらくなじませてからデスロックになっていたライブロックを入れました。右上の赤いのは石灰藻の種にするために乗せてあります。左下の物体はワカメです。パイロットフィッシュ代わりに入れているヨコエビ達のエサです。
おわりに
大事な事を書くのを忘れていました。
今回接続した3つの吸い上げ装置、ブロフィットフィルターBIGが9L/分で、パワーヘッドが2.5L/分×2。
合計で14L/分です。時間に直すと840L/時なので、あくまでも数値上ですがパワーボックスSV900Xの770L/時を上回る流量になりました。ただし底面濾過で底砂を経由する場合、かなり流量は落ちるので仕様ほどの性能はでません。
それにしても、この「作り上げて海水を入れて、生物が何も入っていない状態」が美しくて一番好きです。
できることならこのまま大きな生き物は入れず、空っぽの水槽の掃除と水換えをしながらウットリ毎日眺めてたいのですが・・・それだともはや「心を病んでいる人」ですな。まぁ今でもギリギリのラインですけど。。。
今回使用した主な製品は・・・
はじめまして。
楽しく拝見させていただいてます!
あの、教えていただきたいのですが、
bigの蓋のスリット加工
どのようにすれば、あのようなきれいな加工ができますか?
工具等やり方を教えてもらえませんか?
マジメに(笑)
ワンダーでも構いません(爆)
はじめまして。コメントありがとうございます。
マジメに…ですね、了解しました(笑)
フタのスリット加工は、糸ノコを使っています(100均で買ったチープな木工用糸ノコです)。
穴側からではなくフタの周囲側から、穴の幅よりやや狭いくらいの幅で真っすぐ切り、ヤスリで仕上げています。
慌てて力任せにやると割れるので、ゆっくりのんびり切りました。
taconejiサンもぜひやってみて下さい。
もし何かまたありましたら、お気軽にコメント下さい。
次回はぜひ、ワンダーな返答で答えさせていただきたいっ!(笑)
灰犬様
ありがとうございます!
電動工具使わないといけないのかなと
思っていました。
週末頑張ってみます!
本当にありがとうございましたm(_ _)m