陸地つき海水水槽を作る!【変な水槽工作シリーズ】
『アクアテラリウム』という言葉があります。 一つの飼育槽内に水中と陸地を作る形式で、主に淡水水槽で楽しむ形式になります。
・・・が、海水だってテラりたいじゃないですか!ホンヤドカリとオカヤドカリを同水槽で飼育してみたいじゃないですか!
という事で、中学生の工作的なノリで作る水槽工作シリーズ、「陸地つき海水水槽」を作って遊んでみたいと思います。
まずは型を作る
淡水であれば岩や水草を利用して陸地を作るのですが、それをそのまんま海水水槽でやっても雰囲気が合いません。まず、岩は無いだろう・・と。水草なんて入れたところで枯れますし。
ライブロックを組んで陸地にするという手もあるのですが、それもちょっと違う気が。なによりライブロックを水面上に露出されるのは好ましくありません。
磯やタイドプールのように水面に岩場が出ているのではなく、砂浜っぽい感じを作りたいんです。
ベースにするのは60cm水槽。以前「底面濾過で変な水槽を作ろう」で使用した、フレーム付き角付きの水槽です。あの水槽は中途半端な出来で、性能としてもダメだったので先日解体しました…。
もう10年以上使用しているので、この水槽は今回で引退の予定です。彼には思いっきりふざけた水槽になって有終の美を飾ってもらおうじゃないですか。
まずは陸地の型作りのために100均から発泡スチロールを購入してきました。
コレを切って張り合わせて、だいたいの陸地の形を作ろうと思います。
カットして…貼って…カットして…貼って…の繰り返しで…
こんな感じになりました。
平面部分は三段。一番上の陸地は水上に露出させます。なかなか良い感じにできました。次はコレを研磨して、なめらかな陸地にしましょう。
型が完成です。おお、なんか立派。しかし発泡スチロールの削りカスは静電気であちこちくっつくので大変ですな。
この型に合わせてベースを作り、表面にサンゴ砂を貼っていきます。
使用するのは…
- 鉢底用ネット
- ホットボンド
- 粗目サンゴ砂
- バスボンド
ホットボンドは別名グルーガンとも呼ばれる、樹脂棒を熱で溶かしてくっつけるアレです。
(注!:ホットボンドは海水に長く浸かっていると剥がれてきます。大事な部分には使用しないようにしましょう)
一番広く平面を取れそうな場所から・・・・。
鉢底ネットで形状を作り、そこにサンゴ砂を1粒1粒ホットボンドで貼り付けていきます。
あまりベットリ貼りつけると通水性が悪くなるので、最低限の点付けで。
曲面は細かく切った鉢底ネットを貼り合わせ、曲面に。
まずは概ねの形を作るだけなので、サンゴ砂同士の隙間は多少空いています。
約半分完成しました。ここまでで約2時間。今日は暑いのでお茶も約2リットル飲みました。
貼りつけているサンゴ砂はコレ。JUNのプラチナリーフサンド(粗目)なのですが・・
2kg袋を買ってきてしまったた、半分くらいで大きな石はほぼ使い切ってしまいました…。だんだん細かいヤツばかりになってきて、作業が大変になってきます。
ふいー、ベースの完成です。所要時間は約4時間。
こういうチマチマした作業をコツコツと続けるのは好きなので苦ではありませんが、さすがにちょっと肩がこりました…。
ひっぺがして裏側を見るとこんな感じ。曲面のキツい部分の継ぎ目だけは裏側からバスボンドで補強してあります。
内部システムを考える
さて、陸地を作ったら完成!というわけにはいきません。亀を飼うんじゃないんだから。
濾過や保温の事も考えなければ。
陸地の中に入れる装置を組み立てていきましょう。
これが今回の内部になります。100均で買ってきた小物入れを2つ繋いで60cm幅にし、中に水中ポンプとヒーターを入れました。
ポンプはコレ。エーハイムのコンパクトオン600を使用。ヒーターはニッソーのオートヒーターです。
この部分、交換やメンテナンスをできるようにしておいたほうが後々良いのはわかっているのですが…「中途半端に守りに入ると、中途半端な駄作が生まれる」 という失敗を何度か繰り返したので、今回はとことんトガらせます。見た目を最重要視して、メンテナンス性は捨てる事にしました。
今回、水槽内にはヒーターもポンプもパイプも見せません。必要な物は陸地内部に接着して完全に埋めますので…
水槽を壊すまで、二度と出会うことはありません。
もしポンプが何かのアクシデントで故障したらゲームオーバー。ヒーターにトラブルがあってもゲームオーバー。
そんなわけで少しでも信頼性の高いものを・・・と、ポンプはエーハイム製、ヒーターはニッソーを選択しました。
このユニットを水槽背面に直接接着します。さぁさぁ、もう後戻りできませんぞ。
排水ホースの先についているカップ状のパーツは、お掃除用電動ポンプに付いていた部品が余っていたので使いました。
造成開始
ついに陸地ベースをかぶせて固定していきます。これも直接、ガラス面に接する部分をバスボンドで接着しています。
そして完全に接着してから気づきました。「マット巻くの忘れた!!!」と(笑)
どうにか内部ユニットにウールマットを巻きました。細かい砂がポンプに噛みこんで停止してしまったら、もうただの「亀飼育用の水槽」になってしまいますので・・・。
排水はカップ状の部品を壁面の内側に接着しています。サンゴ砂の壁の隙間から水エリアへ送り出す形です。
これはもう底面ろ過ならず「壁面ろ過」もしくは「側面ろ過」ですな。
接着部分がしっかり乾いたら砂で埋めていきましょう。内部はできるだけ通水性を確保するため、粗目から入れていきます。徐々に目を細かくしていき、表面は中細目程度の砂にします。
ごごごごー。新興住宅地の造成工事みたいで楽しいなぁ。
サンゴ砂を大量に使用するため、足りなくなって途中で買い足しに行ってきました。
裏側から見た様子。
あ…この無駄な空間にリング濾材でも大量に詰めればよかったんですね…失敗。
外部フィルターを使用して給排水パイプを引き込む事も検討したのですが、そうすると見た目が「いかにも水槽システム」といった感じになるで避けました。
仮完成です。右端のサンゴ砂が無い部分から排水します。
最上段、水上に露出する部分はパウダーを使用して砂浜感を出してみました。
水槽内に見えるのは隅っこのコンセントのコード2本のみ。これも後から何かで隠そうと思います。
仮水を投入。とりあえず問題なくポンプも作動し、砂浜も維持できています。
ここで後悔が1つ…。水中ポンプはコンパクトオン1000を使用するべきでした。600では予想以上に水流が弱くて濾過能力としても水の循環としても全然足りません。しかし埋めちゃってるので、もはやアフターフェスティバル(後の祭り)。
うーむ、ちょっと嫌な予感がします…。
今回はここまで・・・
何度か水替えをしてアク抜きをしてから海水に変え、しばらくは何も入れずに立ち上げ作業になります。
この水槽は追って状態をご報告したいと思っていますので、どうか楽しみにお待ちください。
その後の記事はこちら
おそらく本格的に生体を入れられるのは年末あたりになるでしょうか・・・。早くヤドカリが歩き回る姿を見たいものです。