『サラサハゼ』飼育方法・餌・底砂などなど…
サラサハゼの飼育方法・エサ・底砂は必要か、などについて…
海水魚の中では比較的地味なルックスの『サラサハゼ』
「ベントスハゼ」「ベントスゴビー」などと呼ばれる、底棲のハゼになります。
オトメハゼやミズタマハゼなどがメジャーですが、サラサハゼも比較的ショップなどでお目にかかりやすい種類になります。
一般的な飼育情報
適正水温:
25℃前後
エサ:
微生物・人工飼料
混泳:
温厚な性格なので混泳も可能。ただし同種は争う場合もあり。
気が強い魚と混泳させると負けてしまい、エサを食べられなくなる場合がある。
餌付け難易度:中の下
底砂内の微生物や、他の魚の残り餌だけで飼育しようとすると餓死の危険あり。
痩せやすいが人工飼料にも餌付きやすいので、しっかり食べさせれば問題なし。
基本的に底砂内の微生物を食べているものの、人工飼料を簡単に食べてくれるので底砂無しの環境でも飼育は可能(長期飼育なら底砂はあったほうが望ましい)。
注意すべきは「混泳させる相手」と「痩せやすい」という点。
水三輪的な飼育情報
いつもカニやらエビやらクモヒトデやらばかり愛し、カラフルな魚類には全く興味を示せない私ですが…この『サラサハゼ』だけは別格。歴代魚類でも1、2を争う可愛さを感じます。
まぁ見た目はやっぱりモノトーンで地味ですけど(笑)
エサ・餌付け
サラサハゼは底砂表面の微生物を食べます。
底砂をガフッ!!と食べ、ブワーとエラの間から砂を出していく…あの食べ方です。
しかし、水槽という閉鎖環境では底砂の微生物だけで育てるのは難しく、さらにプランクトンフィーダーは餌付けが難しいクセに痩せやすい事が多いのが難点。
その点、このサラサハゼは人工飼料にも簡単に餌付いてくれるので助かります。
粒の細かい沈下性のエサを撒いておけば、底砂をガフガフやっているうちに自然と口に入り覚えてくれますし、慣れれば沈む前に泳いで食べたりします。
臆病で隠れている事が多い魚ですが、餌付けによって人慣れさせるのも簡単で、水槽前に行くとパタパタと泳いでエサのおねだりをするようにもなります。
底砂の種類・有無
目の粗いサンゴ砂ではエサを食べづらいので、できるだけ細かいものを。最大でも1mm程度の粒が良いかと思います。
ところがコイツは厄介な性質がありまして・・・。そう、掘るんですよ(泣)
とにかくあっちもこっちも、そんなに深く!?というくらい掘りたがるので、レイアウトによってはライブロックをガンガン崩される事となります。
サラサハゼ投入でぐちゃぐちゃに崩されまくった『分割式オーバーフロー水槽』です。。。直したとしても朝には大惨事になっているので、もう好きにさせています(笑)
砂を掘る魚やテッポウエビなどに、どんどんライブロックを沈下させられてお困りでしたら、ライブロックスタンドを使用するという手もありますよ。
個人的には穴を掘る生き物に対しては、ライブロックスタンドよりも脚の形になっているライブロックレプリカ(人工ライブロック)を使う事をオススメします。
なお底砂を一切入れないベアタンクでも飼育は可能。水中を漂う餌も食べますし、底に落ちた餌も拾って食べてくれます。隠れる場所があったほうが落ち着くとは思いますが、ビギナーの方は底砂無しで飼育したほうが楽かもしれません。(ただし、ベアタンクで他の魚との混泳は避けたほうが良いかと)
与える人工飼料は沈下性の小粒のものが適していますが、いったん餌付けばなんでも食べてくれる事が多く、口にギリギリ入るような中粒ペレットなどもモグモグ食べます。
栄養のバランスが偏らないようにアレコレ与えてみるのもよろしいかと。
性格・性質と混泳
サラサハゼは基本的に温厚な性格です。同種以外の生き物にはあまり干渉しません。
やや臆病な部分があり、気の強い魚と混泳させるとエサ負けする事があります。もともと痩せやすい魚ですので、できるだけのびのびとエサ探しができる環境が望ましいでしょう。
食事の際に若干底砂をまき散らしたり、住み家作りで砂山を作ったりしますので…低い位置にレイアウトしたサンゴには砂が乗ってしまう事もあります。ご注意ください。
なおこの『砂を掘る』という性質から、白点病に弱い魚との混泳は避けたほうが良いです。
隠れて出てこない…という時は
この写真くらいならばまだ良いのですが、ライブロックを大量に組んでいたり、水槽裏側に隠れられるような場所があると…ずーっとそこに隠れたまま、なかなか出てきてくれない事があります。
エサさえ食べてくれれば気長に待つ事もできるのですが、人が近づくとすぐに逃げてしまい、食ってるのか食ってないのかすら不明…となると心配ですよね。。
これはあくまでも私個人の経験によるものなのですが・・・
サラサハゼだけに限らず『臆病で隠れがち』な種類の生き物は、隠れられる場所があればあるほど、人慣れしづらくなります。
人影を感じるとすぐに住み家や裏に入ってしまうので「ニンゲン、コワクナイ」と覚えよりも「カクレレバ安全」と覚えてしまうためだと思います。
同種の臆病な魚を、何もないベアタンク水槽とライブロックを多数入れた水槽に分けて飼育してみると・・・隠れる場所のないベアタンク水槽に入れたほうが早く人に慣れ、エサもねだりにくるようになったりします。
だからといって『隠れる場所をなくして飼育してください』とは言えませんが、ちょっとレイアウトを変えられるようでしたら、人に慣れやすい環境を作るのも一つの手だと私は思います。
注意!)「隠れたい」と思っているのに隠れられないというのは、魚にとってストレスとなる場合もあります。同じ臆病な魚でも、種類による差や個体差もあります。
あくまでも「そういう事もある」といった程度でお願い致します。
サラサハゼ/飼育方法・その他まとめ
サラサハゼの飼育に関して大事な点をまとめると…
- 底砂はあってもなくても良いが、入れる場合は目の細かいものを。ただしめっちゃ掘るので、ライブロックの沈下に注意。
- 人工餌にも餌付きやすいが、痩せやすいのでしっかりエサを食べられるように配慮が必要。
- 水槽投入後、いつまでたっても隠れっぱなしになる事あり。餓死に注意。
- 意外とデカくなる(10cm以上)ので覚悟が必要(笑)
…といった感じです。
冒頭でも書きましたが、私はホント『魚類』というものに魅力を感じない人でして…。10年以上海水水槽で遊んでいるにも関わらず、ヤッコもチョウチョウウオも飼育したことがありません。
美しい魚を優雅に泳がせて悦に入っているブルジョワなアクアリストからすれば、サラサハゼなんて地味でマニアックな魚かもしれませんが・・・私にとっては珍しく『可愛いと思える魚類』です。
なんといいますか…臆病さと人懐っこさのバランスが絶妙なんですよね。
人の姿を見るとバカみたいに口をパクパクさせながらエサをねだりに来るような事はせず、遠慮がちに「エサ…貰えるよね?」といった雰囲気で穴から出てきて目の前でアピールしてくれるところが可愛すぎます。
不意に水槽の前に行くと驚いて穴へ向かうものの、すぐに振り返ってゆっくり戻ってきてくれるところも可愛い。
追記)
上記の個体はショップでイジメられて弱っていたものを購入してきたため、痩せて元気のない状態でしたが・・・その後約半年、大事にモリモリ食わせて飼育して約2倍に成長しました。
これが元気になった現在のサラサハゼ。上の写真と比べるともう別人(別魚)、串に刺して塩焼きにすれば美味しそうです。