電気ビリビリ光る貝『フレームスキャロップ』飼育方法・長期飼育のコツなど

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光る二枚貝としても有名な『フレームスキャロップ(ウコンハネガイ)』、基本的な飼育方法や水槽環境の作り方、長期飼育するためのコツなどをご紹介致します。

フレームスキャロップ

フレームスキャロップ・飼育方法

適正水温
22~25℃

食べる餌
プランクトン・液体フード

混泳
貝類を食べる魚とは不可。
できれば甲殻類との同居も控えたほうが望ましい。

餌付け難易度:中
ヤギ類や陰日性サンゴと同様の給餌方法。

飼育難易度:中の上
2~3ヶ月ならば簡単だが、それ以上の長期飼育はハードル高し。

気に入った場所が見つかるまではかなり移動するのでレイアウトに注意。

強い水流は好まず、食べなくともイタズラしてくるような生き物も嫌う。貝のクセに神経質。

外套膜がピリピリ光るのが特徴だが、個体によってはあまり光らないものも有り。

水三輪的な飼育情報

貝のクセにばっさばっさ動き回り、某有名RPGに登場する「モルボル」のような赤い外套膜をウネウネさせ、フチがまるで電気のように光る。

とにかくインパクトだらけの二枚貝『フレームスキャロップ』(ウコンハネガイ)、ショップ等でもそれなりに流通量があり購入は比較的容易な種類となります。

しかしビギナーが安易に手を出すのは危険。

店員は「飼育は簡単ですよー」とか言いながら液体フードごと売りつけてこようとしますが、何も考えずに飼育したらせいぜい1ヶ月が関の山の要注意生物でもあるのです…。

特徴・エサ・飼育環境

一般的に海水水槽で飼育される貝には様々なタイプがあり、底面をズリズリ動き回るマガキガイから、ガラス面やライブロックを這い回るシッタカガイ、タカラガイ、鑑賞用のシャコガイなどなど…その性質は多様。

掃除役として水槽投入されることも多い貝類ですが、フレームスキャロップはシャコガイなどと同じく観賞用特化型の二枚貝。ガラス面や底砂の掃除などはしません。その派手な色と電気ビリビリ(に見える光)を楽しむための生き物です。

光るフレームスキャロップ

この稲妻のような青い光は決して光を発しているわけではなく、二酸化ケイ素に周囲の光が反射して…といった小難しい理屈によるもの。ですので真っ暗な状態では光りません。

部屋と水槽の明かりを消して「よーし、これで綺麗に光が見えるぞ!」とか期待しても悲しくなるだけですからね。

個体によってはバリバリに光るものもいますし、たまに一部分がピリッとしか光らないものもいます。理由はわかりませんが、経験上はやはり良い環境で元気に生きているヤツほど光るような気がします。

エサはサンゴなどに与える液体フード。『マリンデラックス』『マイクロ・ブラスト』などが有名で取り扱いも多いです。

私はマイクロ・ブラストを使用。

飼育環境にもよりますが、フレームスキャロップの餌やり頻度は一週間に1~2回を目安が良いかと。つい元気になってほしくて過剰に与えてしまいがちですが、液体フードの入れすぎは激しく水を汚すので注意。

与える際は濾過装置を止め、スポイトで優しく吹きかけるように与えます。いっぺんに大量に与えても無駄ですので、ふわっと1回、少し時間を空けてもう1回与えれば十分です。

環境(水流)に注意!

フレームスキャロップは意外に神経質。貝のクセに神経質とはこれ如何に…といった感じですが、静かで良好な環境を維持してあげる必要があります。

まず『強い水流は厳禁』

水中に漂うプランクトンを食べる系の生き物はそれなりに水流がある位置を好むことが多いですが、フレームスキャロップは直接水流が当たるような場所は好みません。

鑑賞用としては広い場所でぱっくり口を開いてくれているのが望ましいものの、残念ながらそういう位置もあまり好みません。

機動力が高く、貝をバフバフとさせて泳ぎ回る事もできますし、ウネウネした外套膜を使って狭い場所に潜り込むんだりします。

注!)あくまでも貝ですので泳ぎ回るのは激しく体力を消耗します。セッティングはできるだけ速やかに。最初に動き回らせすぎると、そのまま弱って死んでしまう事もあります。

隠れるフレームスキャロップ

なお、つい見やすい底砂の上にペタンと置きたくなりますが、フレームスキャロップのように定着するタイプの二枚貝は『蝶番部(合わせ部分)を下にして、口が上を向く状態で定着する』というものが多く、フレームスキャロップもやや上をむいた状態を好む傾向があります。

さらに広い場所ではなく『ライブロックの隙間』など狭い空間にねじこむように陣取るのが好きなようです。

あまり複雑なレイアウトをせず、流れの弱いシンプルな水槽で飼育するほうが観賞用としては好ましいかもしれません。

なお『静かなサンゴ水槽などで飼育すると良い』…と説明されていることがありますが、サンゴには強い水流を好むものも多いのでご注意を。

混泳・甲殻類に注意!!

言うまでもなく『貝類を食べる生き物との混泳は厳禁』です。

そしてこれは私個人の経験上の注意なのですが…『甲殻類との混泳も避けたほうが良い』です

貝を食べるとされていない甲殻類(エビ・ヤドカリ等)であっても、それはあくまで『貝を主食としていない』というだけで、普通に食べたりします。基本甲殻類は雑食ですから。貝が元気なうちは全く問題なくとも、弱った途端に食べられる場合もあります。

小さなイソギンチャクモエビなどは問題ありませんが、キャメルシュリンプやスカンクシュリンプ、ヤドカリなどは特に注意しましょう。

食われたフレームスキャロップ

これは元気がなくなったフレームスキャロップ(まだ生きている)がキャメルシュリンプに食われてしまっている様子。

フシウデサンゴモエビなども『草食』とされていますが、あくまでも『草食寄りの雑食』というだけで肉類も食べます。

食べないにせよ、エビ類は珍しいものがあるとチクチクとつっつきにくるヤツが多いのも厄介。

水槽投入直後でまだ環境に慣れていないのに「おっ!なんか変なの入ってきた!」とツツキ回され、余計な体力を消耗させるのも可哀想。できれば静かな環境でお迎えしてあげましょう。

もちろん『甲殻類との混泳は絶対ダメ!』と言っているわけではありません。

長期飼育のコツ

フレームスキャロップは『長期飼育は難しい』と言われている生き物です。

野生での厳密な寿命はわかりませんが、水槽飼育下では半年程度の場合が多いようです。私も最高記録は約1年。

偉そうな事を言えるほど長期飼育できていはいませんが、あくまでも個人的な意見としてフレームスキャロップ長期飼育のコツをまとめてみますと…

  • とにかく強い水流はダメ。
  • かなり動けるが激しく体力を消耗する。最初の位置決めが大事。やや狭い隙間を好む傾向あり。
    (貝が開かないほど狭い隙間はダメ)
  • エサは与えすぎないように。
  • イジったりツツいたりする生き物は同居させない。
  • 生物ろ過能力を高めに維持。

…といった感じでしょうか。

新たにお迎えして水槽投入後、翌日になっても移動を繰り返している場合は環境が気に入らない可能性が高いです。弱る前になんとかしてあげましょう。

フレームスキャロップ飼育方法まとめ

水槽内のフレームスキャロップ

マリンアクアリウムとしては少々マニアックな生き物ですが、華やかな色と派手なルックスは水槽映え度バツグン。

環境にコツが必要なため、『すでに魚を飼育している水槽に追加投入』とするには少々難しい一面もありますが、新たに水槽を立ち上げても良いくらいの楽しさがある貝ですぞ。

ショップで選ぶ際には外套膜の触手(のようなもの)が太くて元気に伸びているものを選びましょう。細かったり折れたり千切れたりしているものは弱っている場合があります。上の写真はあまり好ましくないほうです。

ちなみにこの写真のような状態で生活してくれれば観賞用としては理想的なのですが…先程も書いたとおり砂の上に置いてあるような状態では生活しません(写真は撮影用に奥から引っ剥がしてきて置きました)。

観賞用とするならばフレームスキャロップを鑑賞しやすい形でレイアウトをし直すか、新たにシンプルな水槽を立ち上げるのが良いかと思います。

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