コケ取り貝『カンギクガイ』飼育方法・食べる藻類・動かない時は?

水槽のコケ(藻類)を食べてくれる掃除貝は多くありますが、今回は比較的マイナーな『カンギクガイ』のご紹介。食べる藻類の種類が多く、削り取るパワーも強力。コケ取り貝として非常に優秀な貝ですぞ。

カンギクガイ

カンギクガイ・飼育方法

適正水温
22~25℃

食べる餌
藻類・海藻・植物性人工飼料

餌付け難易度:低
水槽内に藻類が豊富にあれば餌やりは不要。
植物性の人工飼料も食べるが、細かい粒ではなく形が崩れないものが良い(プレコ用など)

混泳
貝類を食べる生き物とは混泳不可・ヤドカリとの混泳も注意

飼育難易度:低
餌が枯渇しないよう注意すれば丈夫で飼育は容易。
水面上に出ることもあるので脱走されないように注意。

分類としてはサザエに近い種で、さまざまな種類の藻類・海藻を食べる。

シッタカガイやターボスネイルなど似た用途の貝よりも動きは遅く、夜行性の傾向が強いので昼間は全く動かないことも。

導入直後など、環境に慣れるまではあまり食べてくれない場合もある。

水三輪的な飼育情報

コケ取り貝
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まるでサザエのようにゴツゴツした貝殻が、いかにも「海の生き物だぜ!」といった風貌の『カンギクガイ』

他の掃除貝に比べればマイナーで取り扱っているショップも少ないものの、コケ(藻類)対策としては非常に優秀で飼いやすい貝なのです。

いったいどこが優秀なの?なぜ飼いやすいの?全く動かないんだけど?教えてママン!…という甘えんボーイのため、項目ごとにカンギクガイの性質をご紹介します。

食べる藻類の種類が多い

水槽の掃除屋と呼ばれる生き物はそれぞれ担当部署があり、『茶ゴケ担当』『ふさふさした藻類が好き』『ガラス面が得意』などなど、生き物によって食べる藻類や好む場所が異なります。『底砂のエキスパート・マガキガイ』などが良い例。

しかし水槽に生える藻の種類も生える場所も一つではないため、全てを生き物に食べてもらおうと思ったら「茶ゴケ対策にコイツを入れて、緑の藻にはコレで…」と複数の掃除屋を入れることに。

その点、このカンギクガイは単体でかなり広い範囲をカバーできる優れものなんです。

  • ガラス面につく茶ゴケ
  • ライブロックにつく茶ゴケ
  • やわらかくてモサモサした藻類
    (長くないもの)
  • 硬めの緑の藻類
    (成長しすぎていないもの)
  • 底砂につく茶ゴケ・藻類
  • 石灰藻

これらぜーんぶ食べてくれます。食べないのは俗にシアノバクテリアと呼ばれる赤くてべっとりした藻類くらい。とりあえずカンギクガイを入れておけばどうにかなる食性の広さを持っています。
(食べる藻類には個体差があります)

なお同様の掃除貝の中では削り取る力がかなり強く、石灰藻もどんどん削っていくため、せっかく赤くなったライブロックを白くしてしまうほど。ガラス面や設備についた石灰藻を食べてくれるのは便利ですが、ライブロックの色に過剰にこだわる方はご注意を。

実際のところ石灰藻を食われたからといって生物ろ過能力が低下するわけではありませんし、むしろ厚い石灰藻に覆われることでライブロック表面の微細な穴が埋め尽くされてしまったほうが生物ろ過能力は低下します。

中途半端なビギナーほど「赤いライブロック=高性能・赤くないライブロック=粗悪」という変な勘違いをしがちですが、石灰藻はあくまでも『水槽環境のバロメーター』です。

わりと丈夫・長生きしやすい

カンギクガイは貝の中では比較的丈夫な部類。

極端に水質が悪化したり、極端に水温が上がったり下がったりしない限りは大丈夫です。

朝から晩まで砂をハミハミしているマガキガイや、暇さえあればガラス面をずりずりしているシッタカガイとは異なり、昼間などはロクに働かずにじっとしている事が多い貝ですが…そのぶん体力があり、あっさり餌不足で死んでしまうことも少ない。

じゃあ掃除能力が低いかと言えばそうではなく、人が寝静まった夜中に一生懸命働いてくれていますし、前述したように削り取る力がかなり強いので他の掃除貝よりも掃除あと(食べて進んだ形跡)はスッキリ綺麗。

怠け者のように振る舞いつつ、実は人の見ていないところで高い能力を発揮しているのです。

鑑賞の妨げになりにくい

カンギクガイの見た目は一見すると石ころ。

水槽のレイアウトにもよりますが、雰囲気を崩すことなく鑑賞の妨げになりにくいルックスをしています。

しかも夜行性なので昼間はライブロックの陰や隙間に入って隠れていることが多く、綺麗なお魚にウットリしている最中に目の前を這っていかれるような事も少ない。

インテリアとして水槽を設置している方にもおすすめの掃除貝でもあります。

潜るカンギクガイ

明るいところがあまり好きではないので、昼間はライブロックやガラス面にへばりついたまま、このように底砂に半分潜っていたりもします。

ちなみに底砂は目が荒いほうがお好みのようです。もちろんパウダー砂でも死んだりはしませんけど。

自由を求めて旅に出る

カンギクガイは潮の満ち引きが激しい干潟の岩場などに生息しているらしく、水面上に出てしまうのもあまり気にしない性格。

それゆえ、水槽の水面を越えてガラス面を登ってしまうことがあります。しっかりフタをするなどして脱走を防止しないと、床に落ちているカンギクガイを踏んづけて「痛っ!」となるかもしれないのでご注意を。

カンギクガイはサザエの仲間だけあって頑丈な貝殻のフタを装備していますので、水槽外に出てしまっても簡単に乾燥死することはありません。早期発見して水槽に戻せば復活してくれるので捨ててしまったりしないように。

…とはいえ私の飼育経験上、この「カンギクガイが水槽外に出る」というのは一度も経験したことがありません。

水面より上にちょっと出ることはありますが、フタをしていなくともそのまま旅立ってしまった事は無し。個体差や飼育環境によって差があるようです。

カンギクガイが動かない

水槽投入後、慣れるまで全く動かないという事は多々あります。

「弱ってるの?死ぬの?」と心配になりますが、カンギクガイは夜行性なので人が見ているうちはあまり動きません。

・どこかにくっついて動かない
・底砂に半分めりこむようにして動かない

といった状態であれば心配しなくて大丈夫。2~3日経過しても同じ場所・同じ向きであれば一度取り出してみましょう。

・どこに置いてもしっかりくっつかない
・くっついても、すぐに半分はがれたようになる

といった場合は弱っています。水槽の奥で死なれないよう、見やすい場所に置いて様子を見るか、可能であれば隔離しましょう。

カンギクガイ・まとめ

カンギクガイの性質・掃除能力・飼育のポイントをまとめると…

  • いろいろ食べてくれる万能掃な除屋
  • 動きも掃除もマイペース
  • 丈夫で長生きしやすい
  • 水槽からの脱走に注意
  • 石灰藻も削るので嫌な人は注意

…となります。とても便利な掃除屋ですので、『カンギクガイ+マガキガイ』だけで水槽内のほぼ全てを掃除担当することも可能。荒目の底砂やベアタンク飼育の場合『カンギクガイのみ』で全エリアを担当させる事もできます。

なお苔取り貝全般に共通して言えるのですが、長く伸びた緑色の珪藻類は硬い・柔らかい問わずほぼ食べません。それらはハギ類など植物食の魚類が担当です。

というわけでカンギクガイ。あまりショップでは見かけませんが、ネットショッピングを利用すれば比較的容易に手に入る貝になります。ぜひお試しを。

見た目がダサいシッタカガイなどよりも、ゴツゴツしたルックスでかなりカッコ良いと思いますぞ。

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