外掛けフィルターを考える『ろ過装置アレコレ』

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アクアリウムには上部フィルターや外部フィルター、投げ込み式フィルターなど・・・さまざまな濾過装置があります。今回はその中で「外掛けフィルター」に焦点を当て、実際に使用してみた感想・レビューなどを戯言混じりご紹介してみようと思います。

外掛けフィルターの特徴

でかいっ

水槽のフチにかけてコンセントを入れるだけの簡単設計、初心者にも扱いやすくアクアリウム入門用としても最適な外掛けフィルター。

数ある濾過装置の中で最も多くの製品がある…といっても良いくらい一般的です。

まずは主な長所と短所をあげてみましょう。

メリット

・取り扱いが簡単

「水槽のフチにポンとかけるだけ」なので、設置の難しさがありません。メンテナンスも容易で、掃除も楽にできます。(古い商品は「呼び水」といって、濾過槽内に水を入れておく必要があります)

外部フィルターのように重量もありませんので、非力な女性でもお手入れ簡単。ヨタヨタしながら洗面所まで運ぶ必要はありませんよ。

・水槽上部が使いやすい

水槽背面にかけて使用するので、照明などを水槽上部に設置する際に邪魔になりません。ただしフタに干渉する場合はあります。

・濾材が酸素不足になりづらい

濾過槽内が酸素を取り込めるので、濾材に繁殖するバクテリアに酸素を供給しやすくなります。水槽に排水する際も酸素を溶け込ませる効果が得られます。
(注:製品によって大きく差があります)

デメリット

・生物濾過能力が低い

通常セットされているフィルターは薄型のものが多く、ゴミなどを濾し取る「物理濾過」の能力は高いのですが、バクテリアを繁殖させる「生物濾過」はあまり期待できません。

この点は濾過槽内に別途濾材を入れる事で補うこともできますが、外部フィルターに比べれば狭いスペースですのでやはり生物濾過能力は劣ります。

・大型水槽には向かない

流量が少ないものが多く、その生物濾過能力の低さからも大きな水槽には不向きです。一般的には45cm水槽くらいまでが最適化と。
(注:KOTOBIKIプロフィットフィルターBIGなど、大型水槽向けの製品もあります)

製品によっては・・

・水温に影響する

水を吸い上げるモーターが「外に設置されているもの」「水中モーター」になっているタイプがあります。

水中モーターは水温を上げるため冬場はメリットにもなるのですが、真夏などはデメリットになります。

・作動音は差が大きい

作動時の「モーター音・振動音・水音」などは製品によって大きな差があります。

上部フィルターなどに比べて静か・・・とは言われているものの、こればかりは使用してみないとわからないところ。製品によってはアホみたいに振動音の大きい外掛けフィルターもあります…。

・水流にも差がある

基本的に流量の少ない外掛けフィルターですが、水を戻す部分が製品によって微妙に違います。

「まっすぐ水中に落とし込むように流れるタイプ」「返しがついていて水面を水平に流れていくようなタイプ」「可変式で角度を変えられるタイプ」など、さまざまです。

小型水槽に大きめの外掛けフィルターを使用した場合などは予想以上に強い水流が起きてしまう事があるので、弱い流れを好む生き物には注意が必要な場合もあります。

工夫や改造も簡単

基本は「水槽内の水を吸い上げて…フィルターを通して…また水槽内に戻す」となりますが、ある程度のサイズ以上になれば拡張性もあります。

前述したように濾過槽内に濾材を投入して濾過能力を高める事もできます。

加工して濾過槽内にエアレーションをかける事もできますし、小型のヒーターを入れる事も可能です。

底面フィルターに接続して使用する事もできます。

大半はサイズごとに「濾過槽の大きさと流量」が違ってくるだけですが、中には独自性のある製品もあります。

実際に使用してみた中で、特徴的なものをいくつかご紹介したいと思います。

注!)見解・評価が含まれますが、あくまでも個人の感想です。さらに水三輪独自のワンダーな文章表現が含まれますので、生真面目な方はご注意下さい。

水三輪的 製品紹介

GEX ラクラクパワーフィルターL

やや大きめの外掛けフィルターで、流量は「6.7L/分(50Hz) 8.0L/(60Hz)」

流量ダイヤルがついていて水流の調節が可能。可変式のルーバーを備えており、排水の角度も調節できる。

さらにディフューザー機能も付いており、濾過槽内に酸素を取り込める。

いろいろ盛りだくさんで使い勝手が良く、大きめの濾過槽で能力も高め。私も複数の水槽を使いまわしながら長期使用しています。

しかし大きな特徴であるディフューザー機能、これがミソでして・・・淡水使用でもちょっとした事で空気を吸い込まなくなります。

海水で使用する場合はなおさら、塩ダレですぐに詰まります。とても良い点なのに非常に惜しい…。

空気を吸い込むためのエアチューブが標準規格なので、コレを延長してエアポンプと接続する事で改善する事も可能です。

なお濾過槽内に泡をボコボコ発生させるので飛び散りもすごいです。海水使用の場合はフタのフチから滲んで塩ダレしますので注意。

そして2枚のフィルターを設置できるのですが…背面側のマットフィルターの使い勝手がものすごく悪いです。。。

そのへんを上手くやれば、性能の高いオススメのフィルターです。

ニッソーフラットフィルター

特徴的な「濾過パックシステム」を採用し、濾過槽内にゴミが溜まりづらい。

非常にスリムな形状なので、水槽背面にスペースが無い場合でも設置可能。

吐出口にフラップがついているので、なめらかに水を送り出す事ができる。

いろんな意味でとがった特徴を持つ、個性的すぎる外掛けフィルターです。

ほとんどの製品が半透明の本体を持ちますが、コイツは外からは全く見えないシルバーボディ。中でいったい何が行われているのか…謎です。もちろんフタは開きますので見たければ見れますけど。

最大の特徴は独自の濾過パック方式。

吸い込んだ水をこの濾過袋の中に取り込み、濾しとって排出します。吸い込んだゴミは全て袋の中、さらに袋はパイプと一体化されているので開ける事はできません。

ものすごい物理濾過能力を発揮してくれるのですが…万が一小さなお魚を吸い込んでしまった場合、お魚も袋内にパッキングされます。袋の中は見えません。本体も不透明なのですぐに気づくことはできません…。

もちろん吸水部は網状になっているので注意すれば吸い込み事故は防げますが、この取り返しのつかなさがちょっと怖い気もします…。

掃除の際に大きなゴミを取り除くといった事もできないので、このパックは定期的に交換する必要あります。

薄っぺらいので濾過槽内の余裕はほぼ無く、別途濾材やその他の何かを入れるにも不向きです。

しかしとにかく物理濾過能力が高く、濾過槽内にゴミが溜まる事もほぼ無いためお手入れは楽々。やる事は定期的にパックを交換するだけです。ちょっとコスパは悪いですが、飼育環境によっては優秀なフィルターと言えるでしょう。

ちなみに吐出口のフラップは貼り付けてあるだけなので、簡単に取れてしまいます(笑)

コトブキ プロフィットフィルター Big

外掛けフィルター界の怪物。とにかく規格外にデカい。

9L/分(50Hz) 11L/分(60Hz)という、外部フィルター並みの流量を持つ。

非常に大きな濾過槽を持ち、拡張性が高い。

とにかく「デカけりゃ強い」みたいな雰囲気で、まわりの小さな外掛けフィルターを押しのけドーンと売り場でも幅を利かせています。こういう「やりすぎ感」のある製品は大好きです。

温泉で前を隠して歩く日本人を鼻で笑いながら「ビッグ!ストロング!」と巨象をぶらんぶらんさせて入ってくる白人のようです。まさに黒船襲来です。

ちょっと世の女性達に「デカけりゃ気持ち良いってわけじゃないのよ」と大声で言ってもらいたい。

この製品は「底面濾過で変な水槽を作ろう!」でも使用しましたが、他の外掛けフィルターとは違った使用感でした。

非常に大きな濾過槽と流水量を持つため、感覚としては上部フィルターに近いです。大量に濾材をつっこみ、外掛けフィルターの弱点である、生物濾過の弱さも克服できます。

欠点をあげるとすれば・・・その最大の長所でもある大きさでしょうか。とにかく圧迫感があります。

60cm水槽に設置

45cm水槽じゃありませんよ。60cm水槽でこの調子、横幅半分を占めてしまいます。

奥行きもそれなりにあるので水槽背部のスペースも必要(背面ガラスから約11cm)

上部フィルターに比べれば作動音は静かです。コトブキはどの製品も静音性が高くて良いですなぁ。

飼育環境によってメリット・デメリットが大きい製品ですが、個人的には外掛けフィルターの中でもオススメ度の高い製品となります。

あとがき

本当はもっとご紹介したい製品があるのですが、長くなったので今回はここまで。

初めてアクアリウムに手を出す初心者でも使いやすく、入門用といったイメージもある外掛けフィルターですが・・・意外に奥が深く、あなどれない濾過装置ですよ。

新製品も頻繁に出てくるので、これからもっと個性的な商品が現れる事を期待しています。

なにか変なのを見つけた方はぜひ教えてください。

そして「大きさだけじゃなくて何が大事なのか」「あなたの好みはどんなアレなのか」も世間の奥様方に教えていただきたいです。文字で伝えられない場合は実践で教えて下さい。さぁさぁ、ぜひ。今すぐにっ。

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