『停電時のアクアリウム対策』保温・水槽の維持・便利商品など
どんな生活環境であれ停電は不便なものですが、ことアクアリウムに関しては『電気が使えない』というのは致命的とも言える状況。なにせアレもコレも、水槽設備の大半は電気で動いていますから。
…という事で、今回は『停電時のアクアリム・水槽維持対策』というテーマで掘り下げてみようかと。
私も某大震災を経験していますので、実際の体験に基づいた『水槽抱えて三輪車らしいネタ』も含めてご紹介したいと思います。
停電時のアクアリウム・水槽維持
停電対策方を紹介する前に、一点だけどうしても言っておかねばならない事があります。
災害は非常に残酷です。大規模になれば家を失う方もいますし、命を失う方もいます。
『こんな非常時に水槽って、何を言っているの!』
…と感じる方も多くいるという事を忘れないでください。
もちろん価値観や考え方は人それぞれですが、人間の生活すらままならない非常時です。助け合わなければならない時に水槽が原因で余計な争いになるなど不毛すぎます。
置かれている状況を考慮し、大人の配慮を持ったうえで…できる限り水槽(と中の生き物)を守っていきましょう。
停電だー!
さてさて。しっかりと大人の前置きをしたうえで、いつものノリで進めましょう。
対策方やアイテムを紹介する前に、まずは大原則。
『停電になったらコンセントを抜こう』
電気復旧時の過電流などにより、機器が故障したり発火するなどの恐れがあります。
…と電力会社からは注意されているものの「そんな事しなくても大丈夫だから」と思いますよね。私もそう思います。しかしそうだと言っているのだから意地を張らずに抜いておきましょう。別に減るもんじゃありませんし。
電源の確保
まずは『停電対策』として一番手っ取り早い方法から。文明の利器、発電機&ポータブル電源です。
コレさえあれば、あんな設備もこんな設備も問題なく稼働。通常とほぼ変わらぬ水槽遊びを続ける事ができます。
こちらはお祭り屋台などでお馴染み、ガソリン使ってドドドドドッ!の発電機。後述するポータブル電源よりも安定して高出力の電気を供給してくれますが…
ガソリン発電機のメリット・デメリット
・とにかく安心、ハイパワー
・燃料としてガソリンを使用するが、災害時はそもそもガソリンを入手するのが困難な場合もある
・駆動音がうるさい。排気の関係で室内では使用できない
倉庫で多数の水槽を維持するような業務用途であれば使えるかもしれませんが、自室で水槽を楽しむような一般家庭アクアリウムには不向き。
注)製品によってはガソリンを使用しない発電機、室内でも使用できる発電機もあります。
しかし技術は進歩しました。一昔前であれば緊急時は発電機!ってのが定番でしたが、今はもっと便利で簡単なアイテムがあります。
『ポータブル電源』と呼ばれるものです。あらかじめ充電しておく事により、緊急時にコンセント電源として使用できるというもの。デカいモバイルバッテリーみたいなもんです。
ポータブル電源のメリット・デメリット
・静かで排気も無し。室内でも使用可能
・容量は価格次第。安いモノはかなり早めに力尽きる事も
・災害時だけでなくキャンプ等でも使えるので用途が広い
・ソーラー充電できるタイプもあり
性能の高いものはけっこうなお値段ですので、いざという時のためだけに購入するのはちょっと躊躇しますが…短期間の停電であればコレがあれば非常に便利。
……え?…ええ、わかりますとも。
『こんなもん持ってりゃ苦労しねぇよ!』
と言いたいのでしょう?もちろん私だってこんな便利な道具は持っていません。
さぁ!いざとなるとすぐに金で解決しようとする人間が嫌いな方、なんでもかんでも自作でやろうとするマニアの方、ここからは『変人だって知恵と勇気と…ちょっとのお金で乗り切るぞ!』のコーナーです。項目ごとに分けてご紹介していきますよー。
水温対策
季節や地域にもよりますが、寒かったならば水温を上げ、暑けりゃ下げなければなりません。
まずは暑くて水温を下げなければならない場合から。
水槽用クーラーもエアコンも使用できないならばコレで頑張りましょう。
アクア用品でもファン式クーラーは多数ありますが、コンセント式では災害時に役立たず。こういった電池式のものを用意しておくと便利です。特にクリップタイプは水槽のフチに挟む事もできて便利。
水槽用に作られているわけではありませんので挟む力が弱いものもあります。水槽内に落ちないようにくれぐれもご注意を。基本的に防水・防滴仕様ではありませんので水ハネにも注意しましょう。
そして次、寒くて水温を上げなければならない状況に対する方法。
どうやら『水槽用電池式ヒーター』という商品も過去には存在していたらしいのですが、見つける事ができませんでした。
対策はイロイロありますが、まずは妥当な商品から…
水槽を覆って断熱するシートになります。ものすごーく原始的に見えますが、これが意外に効果大。保冷にも効果を発揮しますので、夏場に使っても良いでしょう。
しかしこれはあくまでも『水温の低下を和らげる』という商品であり、水温を上げる事はできません。さぁ、今こそ奇策を弄しようじゃありませんか。
誰もが一度は思いつくであろう手段…
『秘儀・水槽に使い捨てカイロを貼る!!』
あ、今鼻で笑いましたね。もしくは「そんな事をすると…」と屁理屈をこねようとしましたね?
しかし私は実際、被災した時にコレで水温を管理しました。やや肌寒い季節だったのですが、電力が復旧するまでの約1週間この方法です。
もちろん使い捨てカイロにサーモスタット機能などありませんので、外気温によって調節しなければなりません。水量サイズによっても必要な量や水温の上昇速度は大きく変わってきます。
奇策!水槽にカイロ・注意点
・貼るタイプのカイロの一部分だけを剥がしてガラス面に貼るのが楽。全部剥がしてベッタリ貼ると後から泣くことになるので注意
・貼り付ける位置は水槽半分より下付近に
・適正水温をキープするのは大変。しっかり水温計をチェックし、外気温に応じて数を増やしたり減らしたりしましょう
・張り付いたガラス面沿いに電池式エアポンプなどを使って水の流れを作るのが理想的
私は使用しませんでしたが、さきほどの断熱シートを併用すれば効果が高いかもしれません。
くれぐれも『水槽を直接ライターであぶる』とかはやめましょう。ガラスが割れます。
酸素対策
エアーポンプを使用している場合でも、私のようにディフューザー方式で酸素を含ませている場合でも、どちらにせよ電力が止まればお手上げ。水中の酸素濃度はどんどん低下していきます。
そんな時はこちらの商品。
電池式のエアーポンプになります。釣りの時なども便利らしいですよ。…私は釣りはしませんけど。
いくつかのメーカーから同様の商品が発売されていますので、お好みで。
電池は大量に買いだめしておくのが良いですが、電池がない場合は…
水槽ポンでぶくぶく…の『GEXおさかなぶくぶく』です。
手軽ではあるものの簡易的で非力。『ぶくぶく』というよりも『しゅわしゅわ』といった感じですので、45cm以下の小型水槽向きでしょう。
さてさて、奇策をご期待の皆様お待たせしました。『いよっ、待ってました!!それでこそ変態アクアリウムサイト・水槽抱えて三輪車だねぇ!』と喜んでいただけるような対処法をご紹介します。それは…
『秘儀・手で混ぜる!!』
あ・・・さっきよりも激しく鼻で笑いましたね。もう屁理屈で論破する気も失せましたね。
しかしこれも私が被災時に実際に行っていた方法です。電池式のエアレーションなんて持っていませんでしたので。
水槽を直接かきまぜるのは生き物に迷惑な話ですので、バケツなどに飼育水をうつして・・・・うおりゃー!!と激しくかき混ぜます。使うのは生クリームとかを混ぜるアレです。なんて名前だっけなぁ…
そうそう、泡立て器。コレです。
ひたすら混ぜて混ぜて酸素を含ませ、また水槽に戻す…を何度か繰り返すこと、最低でも朝晩2回。寝る時間を削って混ぜ混ぜしました。
セレブなアクアリストには笑われそうなドロ臭い対処法ですが、1匹でも多くの可愛い生き物(クモヒトデも「可愛いに」含む)を殺さないためなら手段なんて選んでられません。
ええ、足を舐めろと言われれば舐めますさ。…女性に限りますけど。
水質対策
水槽の規模や飼育環境などによりますが、濾過装置などのフィルターが停止すると水質はどんどん悪化していきます。
特に海水水槽ではバクテリアによる生物濾過能力も激減しますので、驚くほど一気に水質が悪くなっていきます。
『こまめに水換えをする』
というのが最良の対策で酸素濃度低下にも有効な手段になるのですが・・・それもままならない状況だった場合、少しでも水質悪化を防ぐために吸着濾過に頼るというのも手です。
ただし、私個人としてはコレはあまり効果がない気が…。
ただ水中に入れていてもフィルターなどの濾過装置が止まった状態(水流のない状態)では本来の性能を発揮できません。
あくまでも気休め…もしくは、やらないよりはマシかも…といった気持ちで使うのが良いかと…。
アクアリウム・停電時の対処法まとめ
備えあれば憂いなし…とは言うものの、なかなかそうもいかないのが人の常。その気持ちはよくわかります。
対策としては…
- 金が余っているなら大容量のポータブル電源を買っておこう。
- それが無理なら、乾電池式のエアレーションくらいは持っておこう。停電じゃなくともいざという時に頼りになったり。
- 電池は多めにストックしておこう。
- 最後は水槽にかける『情熱』と『愛』で乗り切るんだっ!!
…という事になります。特に大事なのは『愛』です。愛と書いてラヴと読みます。
今回は『停電』に対してのみの記事となりましたが、いずれは『断水』に関する記事も書こうと思っています。私が被災した時、電気は1週間で復旧しましたが、水は約2ヵ月止まりました。
最初にも申し上げましたが、水槽遊びなんて興味のない方から見ればただの道楽。人間の生活よりも優先するような事柄ではないでしょう。
しかし当記事が一人でも多くの、水の生き物を愛する方々の一助となれば…と思います。
なお今回のネタは、当サイト常連さんからのコメントで思いついたネタです。いつもネタ探しに困窮していますので、非常に助かりました。ありがとうございます。
今後も『〇〇〇をテーマにバカな事を書いて欲しい!』というのがありましたら、どなた様でもお気軽にコメントをお寄せ下さい。
可能な限りふざけた記事にしてプレゼントさせていただきます。…たぶん。
ありがとうございます。
いつも変なことばかり書いているので「やべぇ奴が来るようになった」と気苦労をおかけしてないかと心配しておりました笑。
今後とも勉強させて頂きますので、何卒よろしくお願いします。
こちらこそネタを喚起させていただき、ありがとうございました。
私自身が『世に出してはいけないタイプの変人』ですので、やべぇ奴が来るのは大歓迎です(笑)
ロクに勉強にもならないような話ばかり書いておりますが、今後ともどうぞよろしくお願い致します。